2012年09月11日

日常の数学


皆さま、こんにちは。

金曜と月曜は更新タイミングが難しいですね…。
週末・週初めは、気長にお待ち下さい。。

さて、たまには「勉強」の記事も書いておきましょう。

以前にも述べていますが、「勉強」というのは
受験に限らず、生涯を通して関わるスキルです。

一言で言えば、「どのように知識・経験を獲得し、
問題解決に役立てていくように洗練させていくか?」

という「姿勢」こそが「勉強の核心」と思います。


勉強時間は長いはずなのに…と嘆いても、
本質的に「勉強」になっていなければ
大した効果はあがりません。

(受験に限らず、仕事・業務でも同じです。)

遊んでいる時間と同じだとは言いませんが、
「勉強」になっていない時間は、努力の割に
効果が上がらない分、精神衛生上は…です。

何の為に「その行為」を為しているのか、
そのことでどのような知識や経験が獲得できるか?

という意識で、日々の時間を楽しんでいる者と
そうでない者とでは、「時間」の煌めく価値は
年数を重ねる毎に自ずと異なってきます。


さて、そのような「勉強」姿勢については
一朝一夕に身に付くものではありませんが、

学校のカリキュラムでは「勉強」姿勢が損なわれる
ことも多い、という現実の方が問題でしょう。

個人個人で、その子のペースに合った進度で
疑問点をじっくり考えていく方が学力は伸びます。


ラルースでは「先取り学習」をしている子は多いですが
「先取り」は目的ではなく単なる「結果」です。


その子の「勉強したい!」という意欲の結果、
その子のペースに合わせたら超スピードになっただけで。

その意欲の根本には、東大に行く!とか、京大に行く!
(京大志望者はあまりいませんけれど)といった目標があり、
各々を誇り高く前進させているからだと感じます。

(あとは、各々のプライドを存分に刺激します。

 キミの頭脳なら解けるよ。とか。
 中学生でこれが解けるなんて天才だな!とか。

 ちなみにラルース指導の核心は
 「自分が天才だと信ずること」です。)



… 話が脱線してしまいましたが、

「日常」において数学的に考えることは大切です。

例えば、このような問題があります。


<京都大学2007年・乙1(2)> -------------------------------

1歩で1段または2段のいずれかで階段を昇るとき、
1歩で2段昇ることは連続しないものとする。

15段の階段を昇る昇り方は何通りあるか。

-----------------------------------------------------------------


シンプルな問題ですね、階段の昇り方は
幼い頃にきっと考えたこともあるでしょう。

正直のところ、京大の問題としては平易です。
難関中学入試では、これより難しい問題が
普通にありますし、実際に教えたりしました。。

中学入試というものは批判も多いですが、
日常的現象について数理的に考えさせるという
試みとしては、本来的に意義深いものだと思います。

その知的な試みを、上手く高みに繋げていくために
中学入試対策(受験塾etc.)と中・高校とが
連携できていないのが問題なだけであって…。


(解説しようと思いましたが…考えてみて下さいね。
 答えだけ書いておくと、 277 通り です。)

このような問題を、日常から意識して考える
姿勢があれば、数学というのは面白くなります。

中学入試的な解法で解けたとしても、さらに
漸化式など用いる別解を考えるのは有益ですし、
数学的発想も深みを増します。

というわけで、幼い子はもちろん、「人」が
じっくり何かを考えていたら気が済むまで
考えさせてあげて下さいね、きっと進化中です。


それでは、今回はこの辺で。

いつもありがとうございます。


posted by laluz at 11:00| Comment(0) | 学習(中学生)

2012年06月06日

「大学過去問」について


皆さま、こんばんは。

最近「勉強」に関連する記事がないですが、
生徒の子には色々と直接教えていますし、

「数式」とか記事化するには意外と時間が
かかるので(数式を画像に変換して貼付けとか)
ご無沙汰な感じになっています。

ただ、一応「塾ブログ」なので、
たまには勉強関連記事も載せておきましょう。

(今回の記事は「中学生〜高1生」向きです。
 大学受験生の方が読まれるには有益ではないと思います。)


「入試では同じ問題は出ないので過去問は解かない」
という人も世の中には多くいるようです。

確かに「全く同じ問題は出ない」でしょう。

しかし、重要な問題は繰り返し出題される
ことが多いのも、現実として否定できません。

入試難度が高い大学(中学高校も同様)であるほど
過去問演習の重要性は飛躍的に高くなります。

例えば、東大・京大・難関医学部を現役合格する場合
基本的な事項は高2までに終わらせて、高3では
過去問演習や実戦模試演習を重ねつつ、出題傾向
に合わせた弱点補強を行っていくことが最短距離です。


(それが出来なかった場合は、もう1年延長して
 実戦演習を行っていくことになるわけです…)


もちろん塾などの大学対応テキストのみで
受かったよ?という人もいるでしょうが、

そこには過去問演習・分析が必ず含まれて
いるはずなので、結果として過去問演習の
重要性が変わるわけではありません。

さて、過去問の重要性は分かっていても演習できない
のは、志望校が直前まで定まっていないからでしょう。

センター試験の点数次第で出願ランクを調整しなければ
ならない場合は、過去問演習よりもセンター対策に
慎重になるのも分かります。センター配点が高い大学
であればあるほど、それは合理的戦略とも言えます。

ただ、難関大志望者であれば、センター試験
レベルは高2末までに終わらせておくべきものです。

(国語以外は着実に満点を狙えるので)

難関志望者にとってセンター試験は足切りクリアの
要素でしかないと考える人もいますが、センター試験
でハイスコアならセンター利用私大の合格枠を確保
できますし、精神衛生上も個別試験が楽になります。

2012年度の高校1年生以降はセンター試験の内容も
一部変わりますが、過去問が全く無意味になるわけでは
ないので、センター過去問は今まで通り解いていて
良いでしょう。進学校で基礎をしっかり押さえていれば
センター過去問も高2終了時点で8〜9割取れます。

(そうならないなら、勉強法が効率的ではないだけです。)

国公立高の皆さんは私立進学校よりも忙しくなりますので
高校1年からしっかりペースを掴んでおくことが肝心です。

学校のペースに遅れないよう、日々しっかりと
理解を定着させていって下さいね。

その上で、志望校を早い段階で明確にして
出題傾向をしっかり掴んで対策することは、
志望校合格に大きく近づけます。

闇雲に一般的な知識を蓄えるよりは、
志望校の過去問を意識した勉強の方が
脳も意欲的に取り組めるものですからね。



それでは、今回はこの辺で。

コメントやメールなども適宜頂いていますが、
返事は基本的に遅いので、のんびりでお願い致します。


いつもありがとうございます。


posted by laluz at 23:00| Comment(0) | 学習(中学生)

2012年05月08日

確率のお話


皆さま、こんにちは。

最近、学問的な話題?が少なかったので
今回は少しだけ数学的なお話をしましょう。

中学生の方もご覧になっているようなので
考えれば中学生でも理解できる問題を。


<問1>-----------------------------------------

袋に、金貨と銀貨のどちらか1枚が入っています。

(どちらが入っているかは50%ずつの確率で
 大きさも重さも同じくらいだとします。)

別の銀貨1枚を袋に加えてよく混ぜた後、
1枚だけ取り出したら 銀貨 でした。

このとき 残る1枚が銀貨である確率は?

-------------------------------------------------



直感的には「2分の1」のような気がしますが
そうではありません。「確率」計算と直感が
異なるケースは意外と多いものです。

まず、後で加えられた方の銀貨を(銀貨’)と表すと
2枚になっている時点での袋の可能性は、

「金貨+銀貨’」or「銀貨+銀貨’」の2通りです。

そこから銀貨1枚が取り出された時、

(1)「金貨+銀貨’」=「金貨」→ 銀貨’
(2)「銀貨+銀貨’」=「銀貨」→ 銀貨’
(3)「銀貨+銀貨’」=「銀貨’」→ 銀貨


の3通りの可能性があることは分かるでしょう。

(1)の場合は「金貨」しか残っていませんが
(2)(3)の場合は「銀貨」が残っているので、

残された1枚が銀貨である確率は「3分の2」

ということになるわけですね?

事前予測時点以降に、新たな情報が得られた場合
「事後確率(Posterior probability)」として
事後情報によって確率が変わるというものですが、


有名どころとしては「モンティ・ホール問題」
というものがあります(ご存知の方も多いでしょう)。


「3つのドアがある。1つのドアの後ろには景品の新車があるが、残り2つのドアの先はヤギがいる(ハズレを意味する)。プレイヤーが1つのドアを選択した後、司会者モンティが残りのドアの内、ヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。

ここでプレイヤーは、最初に選んだドアから、残っているドアに選択を変更しても良いと言われる。プレイヤーはドアの選択を変更すべきか?」



正解は「変更前は当選確率3分の1だが、変更後は
3分の2となるので、変更した方が確率は上がる


ということになります。なぜでしょう??

・・・と、解説する時間はなさそうなので
興味がある方はネットで検索してみて下さい。。

(改めて触れるかもしれませんけど)

「確率」に関しては現実問題に絡めて
生徒の子から様々な質問を頂いたりしますが、
実生活に身近なだけ疑問に感じ易いものです。

その日々の疑問を大切に、じっくり考えて
いってくれれば何よりだと思います。


それでは、今回はこの辺で。


posted by laluz at 14:00| Comment(0) | 学習(中学生)

2012年03月28日

「背理法」


皆さま、こんにちは。

たまには勉強に関するお話も。

「数学」というのは「論理」の学問ですので
「証明」していくことが本来主眼なのですが、

学校数学では先人が見出した定理を覚えて
正確に適用することの方が重要視されます。


そのせいか「証明」は苦手という人は多いようですが
「数学の本質」が証明にある以上、難関大であれば
あるほど「証明」問題がメインとなってきます。

ただ、数学の世界は非常にシンプルに考えるので
(整数は奇数か偶数、素数か素数でないかである等)
シンプルに考えることに慣れれば、受験数学レベル
においては証明すべきことも直感できるようになります。

中学生で習う「背理法」というものから
苦手意識を持つ方も増えるようなのですが、
「背理法」は非常にシンプルな理屈です。

シンプルだからこそ難しいとも言えますけれど。

そういうわけで東大数学でも背理法を用いる問題は
出されます。今年2012年でも出されましたね。

というわけで、少し問題を考えてみましょう。


東大・理系数学2001年第5問
---------------------------------------------------------------------

容量1リットルのm個のビーカー(ガラス容器)に水が入っている。m≧4で空のビーカーは無い。入っている水の総量は1リットルである。また x リットルの水が入っているビーカーがただ一つあり、その他のビーカーには x リットル未満の水しか入っていない。

 このとき、水の入っているビーカーが 2 個になるまで、次の(a)から(c) までの操作を、順に繰り返し行う。

(a) 入っている水の量がもっとも少ないビーカーを一つ選ぶ。
(b) さらに、残りのビーカーの中から、入っている水の量が
   もっとも少ないものを一つ選ぶ。
(c) 次に(a)で選んだビーカーの水を(b)で選んだビーカーに
   すべて移し、空になったビーカーを取り除く。


 この操作の過程で、入っている水の量が最も少ないビーカーの選び方が一通りに決まらないときは、そのうちのいずれも選ばれる可能性があるものとする。

(1) x < 1/3 のとき、最初に x リットルの水の入っていたビーカーは、操作の途中で空になって取り除かれるか、または最後まで残って水の量が増えていることを証明せよ。


[(2) は省略]-------------------------------------------------------------------

このような長い文章問題になれていないと、
「…何を言っているの?」という気になりますが、
噛み砕いて考えれば全く難しくないという好例です。

この「噛み砕いて考える」のが難しいのですけど。

まず「最初に x リットル入っていたビーカー」をAとします。

最後まで、このAの水量が変わらず、
「x のままであった」と仮定しましょう。


最後の操作で、ビーカーは2つになるわけですが、
その直前であるビーカー3つの状態を考えて、

そのときの他の2ビーカーの水量をそれぞれ
y, z ( y≦z) と言うことにします。

問題の条件より、x < 1/3 かつ x+y+z=1
なので x < z と言えますよね?


(ちなみに、1/3 は「3分の1」の表記です。)

従って、考えられる水の量の関係は、

x < 1/3 より、y+z >2/3 

y≦zより、z >1/3 と確定できます。


この状況で、最後の操作を行うとどうでしょう?

(@)x < y ≦ z である場合は、
条件(a)〜(c)より、一番少ない x を y に
加えるので、ビーカーAは取り除かれます。

(A)y < x < z である場合は、
条件(a)〜(c)より、一番少ない y を x に
加えるので、ビーカーAの水は x より増加します。

(B)x = y < z である場合は、
x=y より一番少ないのが一通りに決まらないため、
y を x に加えるか、x を y に加えます。


(@)〜(B)いずれにせよ、ビーカーAの水は取り除かれるか
水量が増加する
ので、x のまま残ることはありません。

以上より、

最初に x リットルの水の入っていたビーカーは
操作の途中で空になって取り除かれるか、または
最後まで残って水の量が増えている、と証明できました。


この証明は「背理法」で考えられています。

「操作の途中で空になって取り除かれるか、または
最後まで残って水の量が増えている」ということを、

直接証明するのではなく「そうならない場合がない」
という間接的なルートで攻めるわけですね。

「A=Bであること」を証明したい場合に、あえて
「A=Bではない」と仮定すると不都合な結果になる、

ということは「A≠B」という仮定が間違っている、
すなわち「A=Bである」と判断できるわけです。


慣れると、とても便利で楽しい思考の道具です。

ただ、日常世界ではあまり使えません、
というよりは「使わない方がいい」でしょう。。

「Aさんは私のことを好きである」と証明するのに
「Aさんは私のことを好きではない」と仮定して、

「様々な状況を考えてみると、Aさんが私のことを
 好きではない」と考えるのは矛盾である、

従って「Aさんは私のことを好きである」と
断言することは滑稽ですし、愛も冷めましょう…。


そもそも、人間との関わりは「理」で捉え切れない
性質のものでしょうし、人々の行動原理が、
常に「合理」とも限りませんからね…。


そもそもの前提が「背理」な現実世界では
「背理法」はあまりに無力ですけれど、

数学など「数理の世界」では役に立ちます。

それぞれ使いこなしてみて下さいね?


…長くなりました、今回はこの辺で。


posted by laluz at 14:30| Comment(0) | 学習(中学生)

2012年03月13日

「先取り学習」(追記)


皆さま、こんにちは。

「先取り学習」については過去の記事でも述べて
いるのですが、あれ以降も質問など頂きましたので

今回はそれらについて少し記しておこうと思います。

今までの関連記事については・・・

中学入学前の「国語」 /「中学入学前」の英語
「中学入学前」の勉強 /「先取り」に関するご質問
「先取り学習」の意味

・・・などをご参照下さい。

繰り返しになりますが、中学での先取り学習は
必須ではありません。数学に関しては「楽になる」
ことが多いという趣旨で上記記事を書いています。

ですので、焦って先取りをすることで
逆に数学が嫌いになるリスクがあるならば
むしろ先取りなどしない方が良いでしょう。


全ては自分に合ったペースで勉強を楽しむこと
それが何より肝心ですし、最短距離でもあります。



さて、具体的な志望大学など決まっているのであれば
「先取りすべきか否か」はより考え易くなります。

国立医学部志望であっても、地方医学部であれば
別に中学から先取りしなくても良いと思います。

といいますのも、一般的な国立大学は医学部と
他の理系学部とで入試問題が理系共通のため、
問題の難度自体はそれほど高くないからです。

地方国立大学医学部の場合は、理系標準レベルの
問題を全科目しっかり解けるよう仕上げることが
重要ですし、それで必要十分と言えます。

地方国立大はセンター得点の配点も大きいので
センター試験9割〜をしっかり取っておき、
2次試験でも標準問題を確実に解いてくる、
そのシンプルな正攻法で確実にクリアできます。


(面接・小論文がある場合は、その対策もありますが)

理系標準テキスト(黄チャート・青チャートレベル)を
確実に解けるように繰り返すのは、高校1年から
始めても「自己管理できる人なら」十分可能です。

地方国立医学部は入試偏差値が高いですが、入試自体は
決して難問ばかりというわけではなく、理系標準問題を
「ミスなくパーフェクトに解く」ということが鍵です。


その意味で「医学部志望」だから先取りしないと…
というわけではないので、ご自身のペースで
着実に基礎固めして行って下さればと思います。

むしろ進学校のペースに振り回されて、難問ばかり
解いていると逆に成績は伸び悩みますので、
良い意味で焦らずに頑張っていきましょう。


では、「先取り」するのはどんな子たち??
ということになりますが、それはやはり
理三を含む東大志望の子たちです。。

東大京大などの場合、「標準問題」というのは
ストレートで出されることはまずありません。

今年2012年の東大数学は、ストレートに出された
問題もありましたが(文系第1問は簡単でしたし、
理系問題も比較的手を付け易い問題が多いセットで)
そういう年は合格最低点も高くなります。。


考えたことのない問題を如何に解きほぐして
「標準問題」につなげていくか?という解決力を
意識した勉強がどうしても必要となります。

そのことから、高校3年までの標準問題は
可能な限り早期に終わらせ、その基礎力を土台に、
東大過去問などを「じっくり深く考えていく」
という勉強が合否を大きく左右するわけです。


数学以外の科目は、さほど対策時間がかからないと
思いますが、数学については東大入試で最も差が付く
科目であり、また対策時間も最も必要となる科目です。

東大レベルを意識した数学を勉強していれば、
論理力は自然と伴ってきますので、国語力も
ある程度は相関的に伸びていきます。

(「古典」は文法事項を覚えるしかないですが、
数学の難しさに比べれば、趣味のようなものです)。


昨日、中1の教え子と東大2012文系第1問を解きましたが
今の時点で「簡単な問題だとはいえ、東大数学が1つ解けた」
というのは、一つの達成感となります。

解ければ数学がもっと好きになりますし。

(もちろん、まだまだ先は長いのですけれど)

最高峰を意識する子において、その知的好奇心を
最大限に引き出す形で行う「先取り学習」は
好ましいものだと思っています。

ただ、全てはその子の才能を引き出すためだけに
行われるべきものであって、焦って先取りをするのは
逆効果になることが多いとは思います。


特に、東大合格者数を意識せざるを得ない進学校では
どうしても東大レベルを意識した授業をすることも
多いでしょうが、少し付いていけない時があっても
焦らず着実に基礎理解することを優先しましょう。

何より数学、勉強が楽しいと思えるように
それぞれがんばって欲しいと思います。


…ちょっと中途半端ですが、今回はこの辺で。


posted by laluz at 16:30| Comment(0) | 学習(中学生)

2012年02月20日

「立志式」


皆さま、こんにちは。

「立志式」を行う時機でもありますね。

(もう終わったところも多いでしょうし、
 行わない地域・中学校もありますけれど)


昔の「元服」儀式にならっているとも、
孔子の「吾十有五にして学に志す」に由来する
とも諸説いわれている立志式ですが、

一つの「節目」に自分を考えてみる
という意味合いは有意義だと思います。

この『論語』の有名な節を見てみましょう。

「吾十有五而志於學 三十而立 四十而不惑
 五十而知天命 六十而耳順 七十而從心所欲 不踰矩」


(子の曰く、吾れ十有五にして学に志す。
 三十にして立つ。四十にして惑わず。
 五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。
 七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。)


 わたしは15歳で学問に志し、
 30歳になって自立した立場を持ち、
 40歳になって心に迷いがなくなった。

 50歳になって天命をわきまえるようになり、
 60歳になってどんな言葉もあるがまま聞き、

 70歳になると自分の思うままに振る舞っても、
 それで道徳を外れないようになった。



この孔子の言葉から、15歳を志学(しがく)、
30歳を而立(じりつ)、40歳を不惑(ふわく)、
50歳を知命(ちめい)、60歳を耳順(じじゅん)、
70歳を従心(じゅうしん)とも言いますね。


74歳にして孔子はこの世を去りますが、
「従心」というのは簡単ではないでしょう、

「ほとんどそれが出来ているが、場合によっては
出来ないことがある」というのでは不十分ですから。

平穏ではない、誰しも心が乱れてしまうような
状況下であっても「不惑」「耳順」「従心」と
言えるような境地というのは、やはり孔子の
示すくらいの年月が必要かもしれませんね。。


ともあれ、14歳・15歳という時期に
将来「世」に立っていくための「志」を
自問するというのは意義深いことでしょう。

支えて下さるご家族・周囲の方々に感謝しつつ
各々の「知力」を磨き、後進につないで
行って欲しいと思います。


それでは、今週もお願い致します。


posted by laluz at 15:00| Comment(0) | 学習(中学生)

2012年02月09日

「中学入学前」の英語


「中学入学前の国語」については先日の記事で
述べましたので、今回は「英語」について。

個人的見解としては「数学は先取りできるなら
遠慮なく先取りすべき」だと思いますが、英語に
ついては特に先取りしなくて良いと考えます。


学校の授業ペースに沿って、ゆっくりでも深く
使っていくことが何より大切だと思いますね。

なぜかと言うと、「中学英語」というのは
正確な英語でないことも多いからです。


(数学の場合は、先取りしようがしまいが
 学ぶべき解法はほとんど一致しますが。)


もちろん、ネイティブの英語教師の方々が
本当に使える英語表現や、ニュアンスの違いを
会話の中で教えて下さる素晴らしい学校授業も
実際にはあるだろうと思います。

しかし、残念ながら多くの問題集や教科書が、
必ずしも正確な英語表現を教えているわけでは
ない、というのが実情でしょう。

中学が「義務教育課程」であるという事情から、
「最低限の英語表現を身に付ける」という基準で
一般的教科書は書かれているのでしょうが、


実際のところ「英語」は学問ではなく、
あくまでコミュニケーション・ツールです。

「使えない英語」を先取りでたくさん覚えるよりは、
「使える英語」をゆっくりでも深く覚えていく方が
「英語力」向上という点では間違いありません。


この点、英語に精通し、適切なアドバイスが
できる方が英語を先行指導されるなら「英語力」
向上という面では全く問題ないでしょう。

ただ、その場合「確かな英語力」は向上しても
学校英語の成績にはつながらないかもしれません。

正確なニュアンスの違いなど学校英語ではさほど
区別せずに教えていくので、「正確な英語力」が
かえって邪魔をする可能性もあります。


「学校では一般的にこう習うと思うけど、
英語表現のニュアンスには違いがあるので
このように使い分けることを覚えておいて」

…と注意を付けておく必要があるわけです。。



例えば、書き換え表現の問題で頻出のため
以下は同義のように刷り込まれてしまいますが
両者のニュアンスは違うことが多いものです。

Don't do that. You must not do that.

You should do that. You had better do that.

You have to do that. You must do that.


受験では、さほど神経質にならなくとも問題ない
かもしれませんが、難解な英単語を覚えるよりは
こういう基本表現を押さえる方が重要な気はします。

特に、中学生に教えていて「もどかしい」のが、
「Will you 〜?」の問題です。

「英語の難しさ」の記事でも書きましたが
will の使い方はなかなか難しいものです。

(   ) you close the window ?
「窓を閉めて頂けませんか?」という和訳が
ついている穴埋め問題があるとします、

〜して頂けませんか?というのは丁寧な依頼なので

( Would ) you close the window ?
( Could ) you close the window ?

となるはずなのです。しかし、解答では

( Will ) you close the window ?

になっていたりします!

Will you close the window ?だと、
窓閉めてくれるよね?(窓を閉める意志がありますか?)

くらいのニュアンス、家族や知人同士など
親しい間柄でお願いするような表現になります。


そのような学校問題については、定期考査もそれで
答えるべきでしょうから、それで良いとしても…
教える側としては「もやもや感」があります。

このように常々思っていたところ、
「相手を配慮した英語表現」という論稿で
トム・ガリー氏(東京大学教養学部 准教授)が
ストレートに述べておられるのを知りました。

それは失礼に思われますよね・・・。

あとは、Would you mind 〜?の使い方とか
逆に、May I 〜?の使い方とか、突っ込みどころは
満載だったりするので、中途半端な先取りは
かえって混乱させてしまうと思います。

個人的には、学校ペースに合わせつつも、
NHK「基礎英語」などを日々聴いていって
表現をシャドーイングしたり、書き取りをしたり、

基礎表現を確実に押さえていく方が、トータルでの
英語力養成という見地では間違いないと思います。


学校によっては非常にハイペースで進むところもあり、
難しい長文読解を分からないまま解かされているケースも
見受けられますが、基本単語・基本熟語をしっかり
使えるように定着させる方が近道だったりします。


(特に、東京大学においては難解文法というより
「スピーディな読み聴き書き」の総合力こそが
 問われていますので、その点を意識して
 中学では基礎反復のみで必要十分です。)


基礎応用力が中学時代に養われていれば
国語力がついてくるに従って専門用語や
難解英単語も自然と覚えていけるようになります。

結局のところ、英語はツールでしかないため
英語で何をするか?という興味付けを養っていく
ことが一番大切でしょう。


結論をいえば、英語の先取りは不要でしょうが、
強いて言うならば、What is this(that)?と
聞いて、It's 〜.と答える「言葉遊び」とかを
すれば良いのではないでしょうか?

それで身の回りの「単語」を覚えていきます。

日本語では普通に使っているモノについて。

冷蔵庫とか、掃除機とか。蛇口とか。

そういう「日常」から少しずつ英語に慣れて
いけば、英語を覚える「意味」が出てきますし。

あとは、好きな洋画やディズニーアニメを何回も観て
会話を親子で暗誦するくらいになれば最高でしょう。

英語が楽しいと思えれば、自然と覚えたいと
思うのが人間です、英語に限りませんけど。



長くなりましたね、今回はこの辺で。。


posted by laluz at 17:00| Comment(0) | 学習(中学生)