2015年03月22日

芸術との共振


皆さま、こんにちは。

麗かな「春」という時候になりましたが、
皆さまも日々健やかにお過ごしのことと思います。

各々の歩んできた一つの道を卒業して
新しい方向へと舵を切る 喜ばしい季節。

時期的にもおめでたい空気に包まれますし
諸々に対して心からありがたい気持ちになれますね。

ここで新たな道に踏み出す皆さまには
心からお祝い申し上げる次第です!


そういうおめでたい空気の中
のんびりと春のアート散策をしておりました。

今回のセットメニューは以下の通り(今回もリンクは張っていません…)。

・「 グエルチーノ展」国立西洋美術館@上野
・ 「新印象派展」東京都美術館@上野
・「ルーブル展」 国立新美術館@乃木坂
・「ワシントンナショナルギャラリー展」 三菱一号館美術館@丸ノ内


・・・というアート内容です。


今回はいつもに比して観覧先が少ないながら
筆舌に尽くしがたく深い知的時間を得られました。

特に「グエルチーノ展」は秀逸という言葉では陳腐過ぎて
どう形容すればよいのか… ただ崇高な力に圧倒されます。

グエルチーノ(1591-1666:本名はジョヴァンニ・
フランチェスコ・バルビエーリ)はイタリアバロック美術を
代表するイタリア美術史における著名な画家のひとり。

出品作品の多くはチェント市立絵画館の収蔵ですが、
そのチェントは2012年5月の地震で大きな被害を受け、
当絵画館はいまだに閉館したまま。震災復興支援を兼ねて
開催された本展ですが、大震災を経てきた日本の方々は
その痛みを共有することが出来ることでしょう。。


ドイツの文豪ゲーテはグエルチーノの絵を観るため
わざわざチェントを訪れ、グエルチーノの作品について
「彼の筆の軽妙さ、円熟さただ驚嘆の他はない」と
『イタリア紀行』に書き残しています。

この時ゲーテが見た≪聖母のもとに現れる復活したキリスト≫
(1628-30年 チェント市立絵画館)

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『聖母はキリストの前に跪きながら、えも言えぬ心情を籠めて彼を見上げ、彼女の左手はキリストの気味の悪い、画面全体をいためるばかりの傷のすぐ下に触れている。キリストは自分の左手を母の頸(くび)のまわりにおき、母をよく眺めようとして、体をいくぶんそらせている。これはキリストの姿勢に、あえて不自然とまではいわないにしても、何かしら異様な感じを与える。それにもかかわらず、この像は限りなく気持がよい。母を眺めている哀愁を帯びた眼差しは独自のものであって、あたかも自分や母のうけた苦悩の思いが復活によって直ちに消し去られることもなく、高潔な彼のたましいの前に漂っているごとくである』岩波文庫(相良守峯 訳)

…芸術全てに言えることですけれど、時空を超えて
偉大な才人と対話できるというのは至高の味わい。

ゲーテはこの作品の前で何を思い、何を感じ、
その後の思索にいかに消化・昇華させていったか
それらを深く想いながら遍く奇蹟が心で共振します。

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グエルチーノ《聖母被昇天》1622年?チェント サンティッシモ・ロザリオ聖堂

その迫力と対峙しなければ伝わらないところも多いですが
参考までにインターネットミュージアムの取材レポートはこちら。
『グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家』




芸術とは 対象との魂の共振とも言い得る体験ですが
自らの心身を清浄に整えて 声なき声に全六感で応えてみると
日々どの瞬間さえも芸術的な体験領域でしかありません。

心身を清浄に整えるという見地では 身の置き所も
人気の少ないのんびりしたところの方が好ましいですが
真にリラックスできればその時空は芸術的対話の場に変じます。

今春から「アマン東京」が開業する(した)ので、
プレオープンのうちに滞在しておりましたが、
人口密度が低く 時間の流れがゆったりしていて
思索を自由に遊ばせ深めていくには良質な空間でした。

特別なおもてなしを頂けたことも全て必然ながら
これもひとえに皆さま方の日々のご支援の賜物です。


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高さ約30mを誇るロビー天井部の吹き抜け。
障子や行灯のように和紙から紡ぎ出される柔光は
荘厳ながらも優美な空間を作り出しています。


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ライブラリーの書架。反対側も対称的にディスプレイされています。

蔵書セレクションも興味深いものが多かったので
リフレッシュウォーターをサーブしてもらって
ゆっくりと読書が楽しめる空間は個人的に好印象です。

プレオープンだったので誰もいない空間でのんびりできましたが
正式オープンした今はさすがに貸切状態ではないでしょうね…



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リビングルーム。あえて豪奢ではなく落ち着ける空間。
他に書斎スペースもあって長期滞在には良い感じです。



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部屋に備えてくれている本の一部。
百人一首を対英訳と読み返しましたけれど
和歌の心を英語で表現するのは難しいですね…


…と、ホテル評論ではないので(要望はありますのでまたいつか)
本題に戻すと、徹頭徹尾「自ら」こそが主役であり
人生の物語の主人公であると意識していさえすれば
周囲の事象・時間に振り回されることもありません。


自分の人生は自らのみが脚本家であって
そのシナリオをいかに綴っていくかは各々次第。

アマン東京に限らず、秀逸な滞在先というものは
静かな時間の中で 自分の(至高の)思考の力を
確かに気付かせてくれる、すなわち人生の主役は
自らであり 周囲の為にも良き脚本を綴っていこう
という意識にさせてくれる芸術空間そのものです。

グエルチーノのような崇高な絵画との対話だけではなく
遍く万物、石や木々に至るまで、自己との関わりの中で
確かに共振することが出来れば、人生を綴っていく上で
良き導きが自然と降りてくることでしょう。



皆さまの人生に良き一節を連ねる一助になっていれば
幸いこの上なしですが、少なくとも私においては
皆さまとの時間は有り難い導きの顕現です。

いつも本当にありがとうございます。


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2014年12月20日

芸術との調和


皆さま、こんにちは。

晩秋のアート散策について記事公開するとしていたまま
そのまま随分と時間が経ってしまいました・・・

全てのイベントや事件を記事にしているわけではなく
むしろごく一部に過ぎませんけれど、更新頻度が低い現状で
このアート散策さえ記事にしないのは好ましくないので
遅ればせながら簡単に書き留めておこうと思います。。

もうすぐ師走も終るというのも早いような遅いような
ともかくもますます夜空が澄み渡る季節となりましたが、

過日(11月中旬)のセットメニューは以下の通りで
今回もリンクは張っていません…


夢見るフランス絵画」 bunkamura@渋谷
チューリヒ美術館展 印象派からシュルレアリスムまで 」新美術館@乃木坂
デ・キリコ展 」汐留ミュージアム@汐留

フェルディナント・ホドラー展」西洋美術館@上野
ヒカリ展 光のふしぎ、未知の輝きに迫る! 」国立科学博物館@上野
ウフィツィ美術館展 黄金のルネッサンス 」東京都美術館@上野
日本国宝展 」東京国立博物館@上野

高野山開創1200年記念 高野山の名宝 」サントリー美術館@赤坂
「ボストン美術館 ミレー展」三菱一号館美術館@丸の内
ESPRIT DIOR ディオールの世界 」 @銀座


・・・というアート内容でした。

「東山御物の美―足利将軍家の至宝―」三井記念美術館@日本橋
「ウィレム・デ・クーニング展」ブリジストン美術館@京橋
「ティム・バートンの世界 」森アーツセンター@六本木
・・といったところも訪れる心積もりでしたけれど寄れず仕舞。。


どれも秀逸な展示内容で、いつも以上に感動的な散策となりました。
(どのような時間であっても「至上の経験」と思える性格なので
 何をするにせよ「失望」することはありませんけれども)

世界の名画たちとの知的対話が、自らの精神を必ず
進化・深化させてくれることは言うまでもないのですが
その中でも特に面白い対話なり哲学なりができたのは
「ヒカリ展」と「ホドラー展」でしょうか。


文字通り「光」で満ちあふれているこの世界。
広大な闇の宇宙空間でも星たちが光り輝いています。

138億年前の宇宙誕生から38万年後に生じた「光」は、
「時間・空間」を規定する現世の根源と言えます。

「光」に関わる研究は古代の天才から現代まで連綿と連なり
人工光合成、LEDなどの半導体照明、蛍光タンパク質や
光通信技術など…「光」の応用は多岐に広がりを見せています。



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蛍光たんぱく質によって発光する「光の繭」

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世界初公開の「光る花」

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「光る繭」によって彩られたツリー


「光」を知ることは、宇宙・時空間そのものだけでなく
宇宙上の全ての「生命」の尊い輝きを知ることに至りましょう。



「ホドラー」との対話においては「リズム」がキーワード。

踊る人々の姿、そこに身体化される感情、それらが
連鎖することで生まれる「生」のリズム。

ホドラーは山々や雲のような自然界の無機物にさえ、
生命感や律動感を見出し、それらの脈動を生み出す構造や
原理を追究し、世界の動的な秩序やリズムの抽出を志向しました。

人々の身体の動きや自然のさまざまな事物が織りなす、
生きた「リズム」を読み取る中で、自らの「生の脈動」を
改めて愛おしく大切に感じられましょう。

あらゆる事象と「調和」しながらリズミカルに生きること。



様々な音が交響しながら「世」は脈動を続けていきますが
そのリズムと協和的に、あるいは意図的に不協和にさえ
自らを主張しながら「有限の生」を謳歌していくことで、
規模に差はあれど各々のペースで世界を彩っています。

己の「心身」という至高なる楽器を慈しみながら
(日々のメンテナンスも大切に怠らないように)
自分のイメージするリズムが出せるようになるまで
心身のムダを削ぎ落とし、純化させていくのみですね。



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最後の写真は「ディオール展」のもの。

立ち居振る舞いは、精神の具現とも思いますし
「色彩」「風合い」と自由に遊ぶという見地で
ファッションは相応に好きな方です(何度か触れましたが)。

身に纏う「人」こそが主役であって、コスチュームや
ドレスはあくまでサポート役であると言うまでもありませんが
その「主役」のリズムに様々な変化を付けたりすることは
ファッションの醍醐味でもありましょう。

光による色彩・生地の風合いの変化や
身体の挙動によるラインの変化など
すべて「生のリズム」に魅力を添えるもの。

これは「ファッション」に限らず、食事や睡眠
およそ全ての人の営みに言えることですけれど、
各々のリズム感覚こそを大切にしながら
貴重な「生」を全うして下さいますように。



・・・この私も 時間を共有する皆さまに対して
理想的なリズムを刻むための良き調整役に
少しでもなれていれば幸いなことと思います。

深呼吸して、呼吸のリズムを整えながら
素晴らしい日々をお送り下さいね。

いつもありがとうございます。


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2014年10月22日

鎮魂の舞い


皆さま、こんにちは。

秋もいよいと深まり 秋風の中で心身とも
清浄に落ち着かせることのできる時候ですね。

「芸術の秋」というに相応しく 各所で様々な
文化的催しが見受けられる時期でもあります。


のんびり更新が常態化してから随分となりますけれど、
(少なくとも月に5〜10本は観ている映画(含DVD)について
 知的な視点で評するなど書くネタ自体は尽きませんが…)


今なお深き学びを得られる諸々の出会いに多く恵まれ
文字通り「実り多き秋」であることを実感できます。

とはいえ月1回のご挨拶だけでは芸もないので
厳島神社「観月能」について久々の記事と致します。


人間国宝・友枝昭世 氏が世界遺産・厳島神社の
能舞台で舞われる「観月能」…今回で18回目。

第18回目の演目は、『杜若(かきつばた)』。

演目のあらすじは・・・

諸国を巡る僧が、三河国に着き、沢辺に咲く今を盛りの杜若を愛でていると、ひとりの女が現れ、ここは杜若の名所で八橋(やつはし)というところだ、と教えます。僧が八橋は、古歌に詠まれたと聞くが、と水を向けると、女は、在原業平が『かきつばた』の五文字を句の上に置き、「からころも(唐衣)き(着)つつ馴れにしつま(妻)しあればはるばる(遥々)きぬるたび(旅)をしぞ思ふ」と旅の心を詠んだ故事を語ります。やがて日も暮れ、女は侘び住まいながら一夜の宿を貸そう、と僧を自分の庵に案内します。

女はそこで装いを替え、美しく輝く唐衣を着て、透額(すきびたい)[額際に透かし模様の入ったもの]の冠を戴いた雅びな姿で現れます。唐衣は先ほどの和歌に詠まれた高子(たかこ)の后のもの、冠は歌を詠んだ業平のもの、と告げ、この自分は杜若の精であると明かします。

杜若の精は、業平が歌舞の菩薩の化身として現れ、衆生済度の光を振りまく存在であり、その和歌の言葉は非情の草木をも救いに導く力を持つと語ります。そして、伊勢物語に記された業平の恋や歌を引きながら、幻想的でつややかな舞を舞います。やがて杜若の精は、草木を含めてすべてを仏に導く法を授かり、悟りの境地を得たとして、夜明けと共に姿を消すのでした。


(引用出典:「 the 能 .com 」ウェブサイト



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厳島神社能舞台・ワキ正面側

時間とともに満ちていく潮の中で、照明光が
ゆらめきながら反射して能舞台を幽玄に照らします。

今年8月下旬の広島土砂災害へ鎮魂の意を込めた
特殊演出「合掌留め」で荘厳に舞われました。

世人が暗闇の救いのない世界に行かぬよう
有明の月のように遍く照らす 導きの光と。

「〜 杜若の 花も悟りの 心ひらけて
 すはや今こそ草木国土 すはや今こそ草木国土
 悉皆成仏の 御法を得てこそ 失せにけれ。」


(意訳: 杜若も 悟りの心を開き、さあ今こそ 今こそはと
     草木国土 すべてが成仏するという御法を得て
     その姿は 消えていった・・)


最終局の地謡においてこのように謡い上げられますが
世界平和を掲げるヒロシマの地で、人間国宝の鎮魂の舞は
万人の救いを願っているように神々しく響きました。


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国宝・本殿(鳥居側から)
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国宝・本殿(内側から)
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夜の大鳥居

一般参拝時間の17時半までは修学旅行の中高生などで
大賑わいの喧騒でしたが、観月能は閉場後の18時半〜で
その騒と静のギャップもまた懐の深さを感じるもの。

家庭教師先のお嬢様とつい先日「伊勢物語」の東下りなどを
読んでいたところだったので、そこも趣深い連環を感じつつ、
最上の席をご用意下さった全てのご縁に感謝するばかりです。

…鎮魂の歌といえば、クルマで移動中はほとんど
Mozart「 Requiem 」K.626 を聴いていますけれど
(14. Lux aeterna [永遠の光] が特に響きます)、

日々が生死の連続であって、あらゆる「死」へ敬意を
払うという感覚でいれば、日々新しき「再生」です。


(能楽やクラシック音楽しか好まないように思われますけれど
 Aphex Twin 新盤は聴きましたし、1Dとかメジャーどころは
 生徒さんと一緒に英語歌詞を訳しながら歌ったりする程度に。
 音楽から英語好きになってくれると嬉しいものです。)



葉っぱたちも散りゆく季節ですが
次の「生」へのプロセスだと思えば愛おしいもの。

日々「再生」を感じながら
各々の「力」を漲らせて参りましょう。


いつもありがとうございます。


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2014年09月20日

芸術との引斥


皆さま、こんにちは。

心身で「秋」を感じられる時候と相成りました、
皆さまも日々優雅にお過ごしのことと存じます。

(本来、9月20日には公開していたつもりが
 設定上の齟齬で前回の「芸術との共考」と合わせて非公開でした…
 そろそろ更新されると予期されていた方々には申し訳なく思います)


私も「芸術の秋」というに相応しい趣で
しばしのアート散策をしておりました。

今回のセットメニューは以下の通り(今回もリンクは張っていません…)。


メトロポリタン美術館 古代エジプト展 - 女王と女神」東京都美術館@上野
ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」世田谷美術館@世田谷
「生誕200年 ミレー展 愛しきものたちへのまなざし」府中市美術館@府中市

特別展「日本の蝶」東大駒場博物館@駒場
能面と能装束 ―みる・しる・くらべる」 三井記念美術館@日本橋
アートアクアリウム2014」 コレド室町@日本橋
宇宙博 2014 ―NASA・JAXAの挑戦― 」 幕張メッセ@幕張


・・・というアート内容です。

今回は従来に比して都心からは離れた会場にも
足を運んだので観覧数は抑え気味にしましたが…
地域の雰囲気を感じながら散歩したりも悪くありませんね。


テーマも、宇宙から古代エジプトに「蝶」や「能」と
取り留めもなく色々な観点から散策して来ましたが…
いつもながら遍く奇蹟の連関・連環に畏怖するのみ。

もはや「芸術鑑賞」という枠組みは超えていますけれど
(「芸術とは何か?」という問いさえも超えて)
あらゆる形象の「在るがまま」を感じる時間は
ただただ在り難いという畏敬の念の他ありません。。


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アートアクアリウムには今まで訪れていなかったので
今年は意図的に覗いてみました…幻想的といえば幻想的です。

ただ、重奏低音が響くナイトラウンジの時間帯だったので
金魚さんたちにはストレスじゃないかなと憂慮しましたが
まあ…どの子も元気そうに泳いでいたので杞憂でしょうか。


10月下旬からは京都二条城で「アートアクアリウム城」が
開催されるようです…京都は「国宝・鳥獣戯画」展もありますね。



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国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟(実物大モデル)

宇宙博2014においては、アメリカ国外では初公開となる
火星探査車「Curiosity」を始め、「宇宙エレベーター」構想、
UZUME構想(空前絶後の日本の月地下世界探査)などなど
なかなかスケールの大きいプロジェクトを伺い知れて
興味深い時空間を味わうことが出来ました。

UZUME(Unprecedented Zipangu Underworld
of the Moon Exploration) とは「古事記」の女神
「天宇受賣命(アメノウズメノミコト)」に由来するそう。

アメノウズメノミコトは、太陽の神である天照大神が
天岩戸にお隠れになり、世界中が真っ暗になった(天岩戸隠れ)時
踊りを踊って神々を笑わせることで天照大神が天岩戸から出て来られ
世界が光を取り戻すのに貢献したという女神であることから、

誰も見たことのない月の縦孔・地下世界に光を当てる、
という意味を込めて「ウズメ」の名前を冠したとのこと。

(参照:UZUME Project ウェブサイト

秋に眺める「月」の地下について基地計画があって
そこにアメノウズメノミコトの関連を見出すのも趣深しです。


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Jean-François Millet; La Charité(慈愛) 1858-1859

日々の労働への慈しみや故郷を愛する心、
家族や身の回りの人々に対する慈愛…

ミレーの絵画芸術の根幹を成しているのは
平凡ながら平穏な日常にある事物への「慈愛」。


この現世では、子供たちの純粋な慈愛が卑俗な勢力に
蹂躙される悲劇もありましょうが、そのような不条理を
粛正しつつ 人世の精神性を高めて行かねばなりません。


各々の有機生命体が、各々の「芸術」を持ち合わせ、
歓喜・恭悦あるいは驚愕・嫌悪を相互に感じ合いながら
精妙なバランスの中で互いに引きあったり離れたりしながら
それぞれの規模スケールの中で絡み合って存在しています。

蟻の巣の構造美はまさに「芸術」ですし、
蜘蛛の巣の設営もまさに「芸術」でしょう。

各々がまさしく各々のみ為し得る「芸」なり「術」なりを
意識的・無意識的に保有しており、それらが色々な条件下で
絡み合いながら、多様な文様を織り成しています。

「芸術的」でない時間などないと思えば、我々自身の
一挙手一投足さえ「芸術」の結晶となり得ます。

あらゆる万物の「芸・術」の相互作用の中で
互いに引き合い、或いは斥け合う時間の集積。

「ああ、今を生存しているようで何よりです、
 各々ありがとう」という思考のみがそこに漂います。

互いに引き合い斥け合いながらも適切な距離感で
支え合っている、星たちや銀河たちのように

人間同士も適切な距離感で支え合い慈しみ合うことが
できれば、それこそ「芸術の結晶」だと言えましょうね。


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ルピシアのコラボティ 《ラ・ジャポネーズ》 赤と金に華やぐ紅茶

「華麗なるジャポニスム展」コラボの紅茶ですが
実はまだ口にしていません…色々な紅茶を頂くので
ちょっとテイスティングが追い付いていませんが
茶葉の芸術性を損なわないよう、ご縁に感謝して
悠久なる時間の流れを味わおうと思います。



ワンパターンな流れながら…皆さまとの
在り難きご縁についても日々感謝しております。

それでは、今回はこの辺で。
いつもありがとうございます。


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2014年07月12日

芸術との共考


皆さま、こんにちは。

まさに「夏」を心身で感じる時候になりましたが、
皆さまも日々健やかにお過ごしのことと思います。

教え子たちが修学旅行等でイングランドなりカナダなりに
行っていたり、定期考査期間は日中に振替等をしたりで
空いた時間を、のんびりとアート散策しておりました。


ちょうど強力な台風が日本列島を横断する頃合でしたが
皆さまのご加護のお陰で 空路も全く阻まれることなく、

快晴すぎず雨でもなく涼風がそよぐ心地よい昼空と
帰りは帰りで満ち足りた月の光が優しく迎えてくれたように
万物の助力を感じつつ深い学びを得られた時間でした。

今回のセットメニューは以下の通り(今回もリンクは張っていません…)。

指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き」国立西洋美術館@上野
特別展「台北 國立故宮博物院−神品至宝−」東京国立博物館@上野

デュフィ展」Bunkamuraミュージアム@渋谷
オルセー美術館展」 国立新美術館@乃木坂
徒然草 美術で楽しむ古典文学」 サントリー美術館@赤坂

ジャン・フォートリエ展」 ステーションギャラリー@東京駅
ヴァロットン展」 三菱一号館美術館@丸ノ内
ミッション[宇宙×芸術] コスモロジーを超えて」 東京現代美術館@江東区三好


・・・というアート内容です。


どの在り様も筆舌に尽くしがたく深い思索に通じましたが
「宇宙×芸術」展では予想以上の知的時間を得られました。

「宇宙芸術(Space Art)」の定義は明確ではないものの
(宇宙芸術コミュニティbeyondの定義を参考にすれば)

「宇宙に於ける時空間の概念から新たな世界観や美意識を創造し、
 芸術・科学・工学の融合をとおして『宇宙・地球・生命』の
 在り方を問う為の、宇宙観念と宇宙活動に関する芸術領域」


…として、大まかなイメージは共有できるでしょう。

個々の生命体の在り様も全て「宇宙芸術」の欠片であると同時に
それ自体で完結した芸術体であると日々実感している身なので
殊更「宇宙芸術」という枠組みに驚きはないのですけれど、

「宇宙庭」「無重力空間における点茶」という試みは興味深く
「侘び・寂び」という観念が「重力」といかに結び付いていたか
改めて考えてみるのは、なかなかに趣深いものでした。

無重力空間において「茶の湯」というものは在り得るのか。
利休が「茶」を通して提示する領域を単純化して見れば
重力の有無は絶対的ではなく、「人の道」が核に在る限り
地球外でも「茶道」や「華道」というものは成立致しましょう。


ただ、必然の立ち居振る舞い・所作という「根本」が
「重力」を前提にしているため、再構成は必要でしょうけれど。

そもそも「宇宙」には、「立ち位置」どころか
「踏みしめる道」すらありませんからね・・・「中心」さえも。

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Universe of Water Particles under Satellite’s Gravity
/チームラボ 《憑依する滝、人工衛星の重力》2014


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逢坂卓郎 《Fullness of Emptiness Integral》2014
常時ふりそそいでいる宇宙線と 地中からのガンマ線を
検知してLED500個の光に変換した、宇宙とのコラボ作品。



…指輪展においても「時を超える輝き」の副題にあるように
「永遠」との繋がりを志向する人間の営みを感じられます。

ダイヤモンドを筆頭にする宝石・貴鉱物たちは
有機生命体とは違って悠久の時を永らえるが故に、

古来の権力者たちは永遠性(不老不死)を願い、
或いは魔術的秘力の媒介として指輪を神聖視しました。


古代エジプトの指輪から、現代ジュエラーの至宝まで
人間の「思い」の不朽性こそが、ただそれだけで
「永遠」を勝ち取れているように思えます。。


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オルセー美術館展を祝うマリアージュ・フレールの特別ブレンド
『印象派の誕生(Naissance de l'Impressionnisme)』


『印象派の誕生』を祝うように柑橘が香る紅茶(50g@1944円)、
早速頂いてみましたが、心地よい香りで優しく品ある風味です。

「何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。」
(どんなことでも珍しさを追求して、一般的ではない考えを好むのは
 教養の無い者に限ってやることだよ)
と『徒然草 第116段』に
示されていますけれど、珍奇・異説に触れることで
「遍く無常」を楽しめるなら、それはまた趣深きもの。


「珍しきもの」「目新しきもの」を通して「普遍性」を再考する
という見地で、今回は滞在先にも変化を加えてみました。

「マンダリン・オリエンタル」「リッツ・カールトン(@クラブ)」
といった定宿ではなく「アンダーズ」「シャングリラ(@ホライゾン)」
に縁あって滞在しましたが、後者は望外に素晴らしいものでした。


「シャングリ・ラ(Shangri-La)」とは、ジェームズ・ヒルトンの小説
『失われた地平線』(1933年)に記される理想郷(ユートピア)の名称。
(書中の「僧院 シャングリラ」に住む人々は普通の人々より
 はるかに長生きし、老いる速さは非常に遅いのです)


部屋にも『失われた地平線』が置かれてあったので読みましたところ
思いがけず「至高を志向する思考」をする時間に充たされました。

なかなか滋味深く印象に残った言葉たちを引用すれば…

「ながいながい静溢の地にあって、俗世の人々が時計の鳴るのを聞くと同じ気持で、それよりもはるかに心労のない態度で、あなたは夕陽の沈みゆくのを眺めていることだろう。年は来たり、年は去り、あなたは肉体的な享楽から解脱して、漸次より厳しい、それでいてそれに劣らぬ満足を与えてくれる境地に入って行かれることでしょう。・・・あなたは深い静けさを、老熟した叡智を、そして明澄な記憶力の陶酔を味わうことになる筈です。そして、なにより貴重なことは、あなたが『時』を獲得なされることです」

・・・「彼は自分に与えられようとしている宝石の刻面の一つを理解した。自分には『時』が与えられているのだ。希求しているすべてのものを待ち受けるための『時』、欲望そのものまでもを達成の確信によって鎮めてくれる『時』、それが自分には恵まれているのだ。」


小説の結末は…なかなか考えさせられますが、
じっくり思索する機会としては好ましくさえ思えます。

一方の「アンダーズ東京」は、2014年6月11日に開業したので
良くも悪くも評価を下すのは時期尚早かもしれませんが、
ラウンジの蔵書類はなかなか興味深く読めました。

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部屋に備えてあった『 北斎漫画 』。
ラウンジにも北斎画集や浮世絵集(全て洋書)が適所にあり、
海外からの客人には、新鮮で好ましい要素でしょうか。


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エレベーターホールから客室に向かう廊下は
極めてシンプルで幾何学的な空間を作っています。

対応下さったスタッフの方が英語で話しかけてくれるので
こちらも英語で対応するというのも、それはそれで
「変化を楽しむ」という試みとしては良かったです。


…どの貴石にも小さな欠点があり、それこそが個性と言えましょう。
(微小なインクルージョンなり、色調・透明度なり)

どの角度で差し込んだ光か、何回屈折して出てきた光かは
ともかく、その輝きは皆それぞれに「光の現象」であって
その輝石が然るべくそこに在ることに変わりありません。

地球上で観るのか、地球外から観るのか、
自分の視点で考えるのか、他者の視点で考えるのか、

今日「命数」が尽きると思って生きるのか
永遠の「時」を生きると思って活きるのか、

一生命体として『時』を想像・受容するのか
創造主の視点で『時』を創造・許容するのか、


あらゆる方向から思索の光を遊ばせてみながら
「芸術」とともに「あらゆるもの」を共考してみる
「時間」に恵まれたことへ感謝と畏敬あるのみです。

その中で改めて、私のような者と変わらずお付合いを
下さる御高徳なる方々に恵まれている奇蹟を実感し、
遍く御助力に対して心から御礼申し上げる次第です。


「先生、宇宙旅行いくよね?」と今から期待されていますが
まあ…その予定です。もう少しコストが安くなる頃まで
命数は続くようですし、必ず呼ばれることになるでしょう。
(そう確信していれば、今まで通り自ずとそうなります。)

ただ、皆さま方と選ばれた時間を共有すること自体
私にとって「宇宙旅行」以上に価値ある時空体験です。


私と「ご縁」がある方はそもそも数少ないですが
そこから「ご縁」が長期に続いて行く方は極めて稀。
ひとえに皆さま方の宇宙規模のご寛容さの故です。

現世では変わらぬものはなく「諸行無常」とは言いつつも
私からの敬意と謝意が変わることはないでしょう。

いつも本当にありがとうございます。



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2014年05月09日

芸術との交響


皆さま、こんにちは。

連休的なものが終わりましたが、
有意義な日々を過ごされたでしょうか。

一般的な暦で動いていないので、連休という概念は
個人的に馴染み薄いのですけれど、人出が多いという
現象から間接的に「黄金週間」の習慣を実感しますね。


雑踏を避け、連休的なものが一段落した頃に
アート的な散策をのんびり致しておりました。

今回のセットメニューは以下の通り(今回もリンクは張っていません…)。

「特別展 医は仁術」 国立科学博物館@上野
石の世界と宮澤賢治」  〃
法隆寺 祈りとかたち」 東京藝術大学美術館@上野
バルテュス展」 東京都美術館@上野
「特別展 キトラ古墳壁画」 東京国立博物館本館@上野
開山・栄西禅師800年遠忌特別展 栄西と建仁寺」〃平成館@上野

こども展 名画にみるこどもと画家の絆 」 森アーツセンター@六本木
燕子花図と藤花図」 根津美術館@南青山
ルドルフ・シュタイナー展」 ワタリウム美術館@神宮前
ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション展」Bunkamura@渋谷

「企画展:糖尿病の真実」 東大医学部・健康と医学の博物館@本郷
ジャコメッティとパリの版画展」 東大駒場博物館@駒場


・・・というアート内容です。

「ねこ・猫・ネコ」@松濤美術館
「富士と桜と春の花」@山種美術館
「大江戸と洛中」@江戸東京博物館
「オランダハーグ派展」@東郷青児美術館
「101年目のロバート・キャパ」@東京都写真美術館
 
…など見ておきたい企画展は他にもありましたけれど。


どの在り様でさえ趣深く、深い学びがありました。


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貝原益軒『大和本草』1709年刊
近代日本史上最高の生物学書・農学書。

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杉田玄白『解体新書』1774年刊

江戸の医から未来を眺める「医は仁術」展では
『解体新書』等の医学書古典から先端医療に至るまで

身分の貴賎なく万人に訪れ得る「病(死)」に対して
医学者や為政者が如何に世人を思い、立ち向かってきたか、

『「仁」とは "他を想う心" である。』と気付かされます。


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根津美術館庭園の「燕子花(かきつばた)」

国宝・尾形光琳「燕子花図屏風」と、
庭園散策しながら優美な「カキツバタ」を
のんびりと味わえる、初夏の根津美術館。


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約1,300年前のキトラ古墳壁画からiPS等最先端医学研究まで
短くも長い人世の営みの中、いつの世も変わらない、

「社会進化への献身」「子を思う親の慈愛」あるいは
「悲劇からの復興・復活への祈り」「生命への賛歌」。

全身全霊で「全き幸福を願い、平穏なる和を祈る」ことで
様々な材質・要素の中に「魂」が吹き込まれ「力」が宿ります。


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46億年の「地球の営み」を刻む鉱物たち(@科学科学館)と
人工的な都市光彩の上に輝く半月光のコントラスト。


「思考するときの私たちは、光の中を生きている」 とは、

R.シュタイナーの言葉ですけれど、その真意を
少しずつ実感・実践できているように思います。

(彼の著作に初めて触れてから15年は経つので…
 ようやく理解が及ぶようになれたかも知れません)



芸術との交響という観点では「料理」という総合芸術も
重要な位置づけとなりますが(医食同源と概ね言えますし)、
JG:Jean George tokyo の作品も趣深い味わいでした。


ニューヨークを拠点に世界的に有名なミシュラン3つ星シェフ
ジャン-ジョルジュ・ヴォンゲリスティン氏が今年3月12日に
日本初出店したフレンチレストラン:Jean George tokyo 。

アジア食文化に刺激を受けた"vibrant cuisine"
(活力溢れる料理)は、素材のエッセンスを引き出し
感動的な風味と躍動的な展開で魅了させてくれます。


今回の作品メニューはこちら(拡大表示されます)
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全て必然のご縁でしょうが、ほぼ貸し切り状態の中、
私1人の為にスタッフの方々が眼前で調理・解説して下さり
劇場型レストランの真骨頂を独占堪能できたのは天恵です。


料理とは、食材に敬意を払い、無限の組合せの中から
各々の持ち味を引き出して交響させるという総合芸術。

そして、その作品は料理人の手だけで完結するのではなく
食する者の姿勢・意識・感覚のメンテナンスによって
その芸術性の行方が大きく左右されるものです。


食材と料理人への敬意を持って、五感覚(あるいは六感覚)を
研ぎ澄ませて味わうと、素晴らしい料理はより真価を発揮します。

正統フレンチではなく、アジアンテイストの創作フレンチなので
好みが分かれるところではありましょうが、スパイスが効いて
濃厚な「動・激」と、優雅で繊細な「静・優」のテイストの
織り込み方は、個人的にとても趣深いものでした。

コースの締めは、マリアージュ・フレールの燻製茶
「Empereur Chen-Nung(エンペラー・チェン・ヌン)」

「神農帝:Empereur Chen-Nung 」は、医と農を司り、
民の為に医薬についての調査をし、処方を集大成して
東洋医学の基礎を固めたとされています。

「医と仁術」展でも、西洋の医聖ヒポクラテスと並んで
東洋の医神として資料展示されておりましたけれど、
茶の起源においても伝説となっている人物です。



鉱物・植物・動物・人物・神霊物・不可知物、
それらを繋ぐ「祈り」「敬愛」の神聖な交響。

各々時代という時間軸上の立ち位置を超えて、
物質的構成の統一(あるいは限界)を解き外して
より荘厳な音脈の中で、自身と響き合う感覚。

単なる「鑑賞」ではなく「同化・交響」するとき
そこに在るのは、美醜・真贋・新旧という相対性を超えて
ただ「今、在り難きが在る」ことへの崇敬のみです。



「審美眼」など、もはや重要ではなくなってきますけれど
教養素地として様々な知見を育んで来れたのも関係諸子の
御厚意・御温情の故と日々実感するばかりです。

(特に紅茶の知見については、教養深く聡明なお母様方の
 ご指導・ご手配の賜物に他なりません。。)



医師を目指して医学部に入られる生徒さんが必然的に多いですが
「自他を慈しむ心」を根本に抱いて、遍く必然と交響しながら
世を「癒す者」として進化して欲しいと願います。


久々に書いたので長くなりましたね…
今回はこの辺に致しましょう。

いつも本当にありがとうございます。


posted by laluz at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | アートな話

2014年02月20日

芸術との同化


皆さま、こんにちは。

従来以上に御無沙汰しておりましたが、
有意義な日々をお過ごしのことと存じます。

(書き始め日から実際の更新まで更に空きましたが…)

2月中盤は全国的に雪となりましたけれど
その雪景色の中を「芸術の冬」という趣で
しばしの間、アート巡拝しておりました。

今回のセットメニューは以下の通り(今回もリンクは張っていません…)。

・「モネ 風景を見る眼」国立西洋美術館@上野
・「世紀の日本画 展」東京都美術館@上野
・「クリーヴランド美術館展」東京国立博物館@上野

・「シャヴァンヌ展」Bunkamura@渋谷
・「ラファエル前派展」森アーツセンターギャラリー@六本木
・「アンディ・ウォーホル展」森美術館@六本木

・「大浮世絵展」東京江戸博物館@両国
・「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義」三菱第一号美術館@丸の内
・「クリスチャン・ボヌフォワ展」メゾンエルメス@銀座


・・・というアート内容です。

「和歌を愛でる」@根津美術館、
「Kawaiiかわいい 日本美術」@山種美術館、
「サビーヌ・ピガール展」@シャネル銀座
 …など、見るべき作品は他にもありましたけれど。



「芸術の冬」に相応しく、清浄な心持で
「知性と感性」を荘厳に解放できました。

期待した以上に知的対話が楽しめたのは
「ラファエル前派」展、「モネ」展、

望外に趣深く、深い学びがあったものは
「クリスチャン・ボヌフォワ展」、


あとは 良い意味で予想通りという感じです。
(「全て」から良き学びが得られましたので。)


日本では初個展となる「クリスチャン・ボヌフォワ」の新作
《銀座の上空の黄道十二宮の星座》は、とても優しい空間でした。
参照:メゾンエルメス「ボヌフォワ展」サイト


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Auguste Rodin ,Burghers of Calais

雪の残る西洋美術館前庭の ロダン『カレーの市民』。

ウスターシュ・ド・サン・ピエールは、中世百年戦争の時代、
イギリス国王が1347年に英仏海峡を越えて同市を包囲した際、
他の5人の地位の高いカレー市民と共に人質としてイギリスの
陣営に赴き、カレー市と市民の生命を救ったのでした。


(引用元・「国立西洋美術館」解説ページ

6人の市民がそれぞれの絶望と苦悩の中、市の鍵を手に、
首に縄を巻いて裸足で市の門を出て行く群像の名作が、
雪の反射光で荘厳に照らされていました。


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アンディ・ウォーホルが自らペイントした「BMWアート・カー」
1979年式BMW M1 Group 4 Racing Version@ウォーホル展

個人的にクルマも好きなのですが、有名な作品です。
(今となっては時代を感じさせますけれども。)

M1は古いので運転したことがありませんが、
色々なご縁から興味深いクルマに乗る機会もあります。

感性を研ぎ澄ませてくれるクルマは確かに存在しますね。


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日本銀行も、雪の白でお化粧されていました。
よく眺める景色も、雪景色は格別に趣深いものです。

有名なお話ですが、日銀旧館は「円」の形をしています。


マンダリン・オリエンタルからちょうど眼下に眺めることができ、
場所的に外資・金融関係の方々も多いので、お金のパワースポット
と言われたりもするようですが、それは定かではありません。

ただ(個人的に)とても居心地がよい場所ではあるので
自ずと謙虚かつ穏やかになり、笑顔で他者に接することが
できる限り、自然と運気も高まるでしょう(金運に限らず)。

ただ、パワースポットとかあまり関係ないと思います、
どんな平凡な場所でも上記の心持を忘れずにいる限り、
その人がいる場所そのものが「パワースポット」です。

他者や他の場所からパワーを得るという思考よりは、
自らがパワーを高めて周りに返そうとする意識が大切かと。

そういう意識で生きていると、本当に多くの方々が
手伝って下さったり、味方になって下さいます。


(目に見えないあらゆる「縁」も不思議と繋がりますし。)


あと、教え子のお嬢様が東京で演奏される機会に
意図せぬ巡り合わせで同席出来たのも、至高の芸術的時間でした。

詳述すると個人情報に関わるので避けますけれど…
優雅に「世界」を飛翔して行って下さいますように。



・・・と、書き始めから随分と時間が経ってしまって
タイムリーではなくなりましたが、そんな感じで
冬のアート散策をしておりました次第です。


「同化(どうか)」とは、異なる性質・思想などが、
影響・感化されて同じになること。同じにさせること。

意図せずに、ふと訪れる何気ない気付きや閃きの数々が
まさに「芸術との同化」というべき至高の時空間を形成します。


「名画」「至宝」の前に立つ自分=「非・芸術」ではなく
むしろ「あなた」こそ「芸術」そのものと言われる時、

その内容は、森羅万象が「色・音・香・味・形」や
「雰囲気」を通して日々示していることと同じだと気づけます。


あらゆる意味で「同じであること」。

各々の個性と差異を尊重しつつも有機生命体としては
「本質的に同じ」であることを実感できた散策でした。



聖バレンタインデイも、国立2次試験も既に終えて
なんだかフワフワ生き過ぎな気も致しますが、

そのようなペースにお付き合い下さる皆さまには
心より感謝しています。私と関わった方々が
各々にとっての「在るべき道」に導かれますように。


いつもありがとうございます。


posted by laluz at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アートな話