2012年07月25日

ピグマリオン効果


皆さま、こんばんは。

ランダム更新というか…決してサボっている
わけではないのですけれど、間が空きすぎですね。。

さて、先日「ピグマリオン効果」について
ご質問を受けましたので、簡単に述べておきます。

ピグマリオン効果(pygmalion effect)とは、
「教師の期待によって学習者の成績が向上する」
という心理的影響・状態を指して用いられます。


ピグマリオン効果を最初に提唱したのは、
ハーバード大学のローゼンタール博士でした。

博士は、ある小学校で「ハーバード式突発性学習能力
予測テスト」と名づけた普通の知能テストを行い、
その中から(テストと無関係にランダムで)数名を選んで、
「この子たちが伸びる」と偽りの情報を教師に伝えました。

それを信じた教師が、その子たちに対して期待をこめて
指導したところ、本当に成績が伸びていったという話です。


1964年の実験ですが、実験内容に不備があり、データが
実証・追証されてはいないことや、様々な複合的要素を
考慮せずに「期待効果」だけで成績向上したとは
いいにくい点などから科学的に批判も多い説です。


確かに、学術データとして評価するには
ある程度の規模で実証してデータを集めて
いかなければなりません。

しかしながら、追証・検証できなかったとしても
「ピグマリオン効果」が存在しないとは言えません。

そもそも「期待」というものが心の底から
真摯に湧き上がるものかどうかで、励ましの言動
ひとつ取ってみても、生徒にとってみれば
受け止め方が大きく違ってくるはずです。


どうしても「教師」の資質や、期待の適切性が
大きく結果を左右することになるからです。

学術的に定説化するには慎重を期するとしても
我々の直感としては受け入れやすい説でしょう。

「この程度の成績しか取れないなんて、ダメな子だな」
「運動神経がないのだから、練習したってムダだ」
「何も取り柄がない凡人だということを忘れるな」
「夢を見るだけバカだ、努力で夢が叶うはずがない」


…このようなネガティブな言動の中で
育てられてきたタイプの者と、

「少しずつミスも減っているし、良い感じだよ」
「運動神経がないと思うなら、これから磨けばいいよ」
「短所や失敗は、長所や成功につながる鍵じゃない?」
「夢を叶える!と本気で思った者だけが夢を現実にした」


…というようなポジティブな期待の中で
育てられたタイプの者とでは、

どちらが学習・練習成果に効果が上がりやすいか
一概に分かりませんが、後者の方が「人格的に
穏やかになる」ことは大いに予測されます。

ちなみに「教師が期待しない」ことによって
学習者の成績が下がることは「ゴーレム効果」と
(対比的に)呼ばれています。


実技分野においてはスパルタ教育も有益でしょうし、
その当人の性格によっては前者の指導が「悪い」
と必ずしも言うことはできないでしょう。

ただ、厳しい指導や叱責というものの背景に
心からの期待と応援の意思があるからこその
スパルタ英才教育だと思います。

(期待も全く伴わないただの軽蔑・軽視による
 叱責・罵倒では、そもそも教育でないでしょう)


いずれにせよ、こちら側が相手に対して「期待」する
ことによって、相手もその「期待」に応えるようになる、
という現象を「ピグマリオン効果」と言うわけですね。

この由来は「ギリシャ・キプロス島のピュグマリオーンが自ら理想の女性・ガラテアを彫刻し、そのうち彼は自らの彫刻に恋をするようになり。その像が人間になることを願った。その彫像から離れず、次第に衰弱していく姿を見かねた愛と美の女神アプロディーテがその願いを容れて彫像に生命を与えた」という神話に基づきます。

ただ、「ピグマリオン効果」といっても、
その適用は実際のところ難しい点もあります。

「期待」は適切なものでなければなりません。

「過度な期待」は本人を抑圧してしまいますし、
本人の望む道ではない分野について「期待」の
押しつけをすることも、むしろ逆効果です。

本人が望むことについて、自信を失いかけている時
「いや、あなたなら出来るって知っているよ」と
温かい声援を送ることは大きな助力となるでしょう。

本人が望まないことについても、柔らかく見守る
ニュアンスで、心地よい期待感で包んであげるのも
好ましい影響が出ることが容易に予測できます。

結局は「期待のかけ方」だと思います。

それは相手との距離の取り方でもあるでしょう。

近すぎず、しかし必要な時は傍にいる。

子供の教育だけではなく
人間教育においての真理だろうと感じます。



それでは、今回はこの辺で。

いつもありがとうございます。



posted by laluz at 23:30| Comment(0) | IQ・知能
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