2013年10月27日

芸術との邂逅


皆さま、こんにちは。

文字通り「芸術の秋」という季節柄、
こっそりアート巡拝しておりました。

今回のセットメニューは以下の通り(今回、リンクは張っていません…)。
(時間調整にご協力下さった方々に感謝申し上げます。)

・「システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展  天才の軌跡
・「ル・コルビュジエと20世紀美術
・「内と外(スペイン・アンフォルメル絵画の二つの『顔』)」
 (上記 全て)国立西洋美術館@上野
・「ターナー展」東京都美術館@上野
・「興福寺創建1300年記念 国宝興福寺仏頭展
  東京藝術大学美術館@上野
・「京都 洛中洛外図と障壁画の美」東京国立博物館@上野

・「カブリエーレ・ダンヌンツィオ生誕150周年記念展
  東京大学駒場博物館@駒場
・「バルビゾンへの道(山寺 後藤美術館コレクション)」Bunkamura@渋谷
・「渋谷パルコ40周年記念 シブカル祭。2013」 Parco Museum@渋谷
・「アメリカン・ポップ・アート展」国立新美術館@乃木坂
・「スヌーピー展」森アーツセンターギャラリー@六本木

・「グレン・グールド展」カナダ大使館(高円宮記念ギャラリー)@赤坂
・「国宝『卯花墻』と桃山の名陶」三井記念美術館@日本橋
・「モローとルオー 聖なるものの継承と変容 」汐留ミュージアム@汐留


・・・というアート内容です。

「印象派を超えて 点描の画家たち」@国立新美術館
「近代への眼差し 印象派と世紀末美術」@三菱一号館美術館
「カイユボット展 都市の印象派」@ブリヂストン美術館
フィレンツェ・ピッティ宮近代美術館トスカーナと近代絵画」@損保ジャパン東郷青児美術館、
スミルハン・ラディック+マルセラ・コレア展」@メゾンエルメス


…などなど、まだまだ見るべき展覧会は枚挙に
暇なしですけれど、年内まで開かれている場合も
ありますから、時間が取れれば?という感じですね。。



さて、「芸術の秋」に相応しく、質量ともに
本格的に「知性と感性」を自由に解放できました。

全てにコメントを付すのは長編化しますので
(数回に分けて更新するという手もあるとしても…)
とりあえず知的に高揚したものを挙げてみます。

期待した以上に 知的対話が楽しめたのは
「ターナー展」、「モローとルオー」展、

それほど期待をしていなかったけれども
望外に趣深く、深い学びがあったものは
「ダンヌンツィオ展」、「グールド展」、


あとは 良い意味で予想通りという感じです。
(「全て」から良き学びが得られましたので。)

「ダンヌンツィオ展」も「グールド展」も政府等の
研究助成があるためか入場無料ですが、来場者が
ほとんどいなかったので、ゆっくり思索できました。

「ダンヌンツィオ展」の解説論集も無料ながら、
東大のダンヌンツィオ研究論稿で知的作品でしたし。

ダンヌンツィオは政治思想・政治活動において
イタリアファシズムの先駆と見做される面もありますが、


夏目漱石や芥川龍之介も話題に取り上げていたり、
三島由紀夫にも深い影響を与えるなど、日本文学とも
意外な繋がりがある文学者・芸術家でもあります…。



また「グールド展」も素晴らしいものでした、

ドキュメンタリー映画『Glenn Gould's Toronto
(グレン・グールドのトロント)』(1979年)が公開されていて
(グールド研究者・宮澤淳一教授(青山学院大)監修の字幕で、
 グールド生誕80年&没後30年に当たる2012年に公開された版)


知的かつ饒舌に都市トロントを語るグールドに
親しみを覚え、演奏とは違った魅力を感じさせます。

ちなみに、グレン・グールド(Glenn Herbert Gould,
1932.9.25〜1982.10.4 )は カナダのピアニストで、

真夏でも厚手のコートとマフラー、手袋を離さず、
極度の人間(世俗)嫌い、絶対に水道水は飲まない、
極めて少食で 少量のビスケットとフルーツジュース、
サプリメント(ビタミン剤など)しか摂らなかった…

などなど、非凡な習性や奇行の数々でも有名ですが、
彼の音は今なお世界を惹きつける 天才音楽家です。


映画中でも、太陽の光や鮮やかな色が苦手なグールドは、
「私の信条は『輝きの場を信ずることなかれ』だ」と語り、

「6歳の時に、私は人間より動物と会話する方が
向いていると理解した」、「12歳で人類の自滅を
テーマにしたオペラ『蛙と変容』を書いた」と微笑みます。

リヒャルト・シュトラウスの交響詩『死と変容』の原題
「Tod und Verklarung」のTod(死)とToad(ヒキガエル)
の言葉遊びをかけていますが、ユーモアあるお話です。


G.マーラーの歌曲集「子供の魔法の角笛」より
「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」を牛の前で
歌った時の「心」が通った感覚、あれ以上の聴衆はない…
と言いながら、動物園の象たちに同じように歌いかけたり。。

プロコフィエフ「ピアノソナタ第7番」のエピソードでは、
「プロコフィエフといえば家庭教師先のお嬢様が 先日に
弾いて聴かせてくれたなぁ」と余計に趣深くありました。


…と、グールド展の内容で埋まってしまいそうですが、

夜行性だったり、極小食だったりする習慣的にも
個人的に共感する発言が多く、知的な時空でした。

まあ、グールドに関しては 「名言の英語」等で
改めて取り上げたいと思います、書き切れないので。


あとは・・・どの会場も素晴らしかったものの、
「ターナー展」「モローとルオー」展 は秀逸でした。

風景画の中に「崇高」を描き切らんとする
ターナーの精神性を、多くの作品から感じられます。

「モローとルオー」展は「聖なるものの継承と変容」
という副題にあるように、師モローと弟子ルオーの絆、
師から弟子への親愛など、受け繋がれた精神について
また違った視点から深く考えることが出来ましょう。


(図録も見応えがありますので、御希望の方にはお貸しします。)

最後に、「スヌーピー展」。実のところを言いますれば、
スヌーピーは好きです(スヌーピー派の母親の好みか、
幼稚園の持ち物などスヌーピーグッズだった影響で)。

哲学的に深い話も意外と多いのがスヌーピーの世界。

まあ、図録はピーナッツの作品をふんだんに収録し
ゆっくり読み返せますので2,500円は安いと思いますが、
企画展自体2,000円の価値があるかどうかは微妙。。

図録や原作で予習してから原画に触れないと
大きな感動は得られないでしょうね。。


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ヒルズ自体、ハロウィン・ムードで可愛かったです。

ミケランジェロの「キリストの磔刑」も、興福寺仏頭も、
洛中洛外図屏風も、国宝『卯花墻』茶碗も、言わずもがな。


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現代都市の彩光の美はそれはそれで趣深くありますし、

『シグネチャー』の料理も、眼耳鼻舌身の五感だけでなく
精神的にも味わえる芸術作品でありました。


「邂逅(かいこう)」とは、思いがけなく出会う、
偶然の出合い、巡り逢い、のこと。

意図せずに、ふと気づかされた芸術的な瞬間の数々が
まさに「芸術との邂逅」というべき至高の時間に思えます。


それは「名画」「至宝」の前に立つからではなく
日々あらゆる瞬間でさえ実感できるもので、

むしろ、小さな瞬間に敬意を払っているからこそ
至高の瞬間に気づける…というのが真理でしょう。



…と、長い割に内容に乏しいですが、また追々に。
今回はこの辺りで終わっておこうと思います。

いつも温かいおもてなしを下さり、
本当にありがとうございます。

皆さまとお会いするのも、芸術との邂逅です。


posted by laluz at 23:55| Comment(0) | アートな話
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