2014年05月09日

芸術との交響


皆さま、こんにちは。

連休的なものが終わりましたが、
有意義な日々を過ごされたでしょうか。

一般的な暦で動いていないので、連休という概念は
個人的に馴染み薄いのですけれど、人出が多いという
現象から間接的に「黄金週間」の習慣を実感しますね。


雑踏を避け、連休的なものが一段落した頃に
アート的な散策をのんびり致しておりました。

今回のセットメニューは以下の通り(今回もリンクは張っていません…)。

「特別展 医は仁術」 国立科学博物館@上野
石の世界と宮澤賢治」  〃
法隆寺 祈りとかたち」 東京藝術大学美術館@上野
バルテュス展」 東京都美術館@上野
「特別展 キトラ古墳壁画」 東京国立博物館本館@上野
開山・栄西禅師800年遠忌特別展 栄西と建仁寺」〃平成館@上野

こども展 名画にみるこどもと画家の絆 」 森アーツセンター@六本木
燕子花図と藤花図」 根津美術館@南青山
ルドルフ・シュタイナー展」 ワタリウム美術館@神宮前
ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション展」Bunkamura@渋谷

「企画展:糖尿病の真実」 東大医学部・健康と医学の博物館@本郷
ジャコメッティとパリの版画展」 東大駒場博物館@駒場


・・・というアート内容です。

「ねこ・猫・ネコ」@松濤美術館
「富士と桜と春の花」@山種美術館
「大江戸と洛中」@江戸東京博物館
「オランダハーグ派展」@東郷青児美術館
「101年目のロバート・キャパ」@東京都写真美術館
 
…など見ておきたい企画展は他にもありましたけれど。


どの在り様でさえ趣深く、深い学びがありました。


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貝原益軒『大和本草』1709年刊
近代日本史上最高の生物学書・農学書。

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杉田玄白『解体新書』1774年刊

江戸の医から未来を眺める「医は仁術」展では
『解体新書』等の医学書古典から先端医療に至るまで

身分の貴賎なく万人に訪れ得る「病(死)」に対して
医学者や為政者が如何に世人を思い、立ち向かってきたか、

『「仁」とは "他を想う心" である。』と気付かされます。


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根津美術館庭園の「燕子花(かきつばた)」

国宝・尾形光琳「燕子花図屏風」と、
庭園散策しながら優美な「カキツバタ」を
のんびりと味わえる、初夏の根津美術館。


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約1,300年前のキトラ古墳壁画からiPS等最先端医学研究まで
短くも長い人世の営みの中、いつの世も変わらない、

「社会進化への献身」「子を思う親の慈愛」あるいは
「悲劇からの復興・復活への祈り」「生命への賛歌」。

全身全霊で「全き幸福を願い、平穏なる和を祈る」ことで
様々な材質・要素の中に「魂」が吹き込まれ「力」が宿ります。


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46億年の「地球の営み」を刻む鉱物たち(@科学科学館)と
人工的な都市光彩の上に輝く半月光のコントラスト。


「思考するときの私たちは、光の中を生きている」 とは、

R.シュタイナーの言葉ですけれど、その真意を
少しずつ実感・実践できているように思います。

(彼の著作に初めて触れてから15年は経つので…
 ようやく理解が及ぶようになれたかも知れません)



芸術との交響という観点では「料理」という総合芸術も
重要な位置づけとなりますが(医食同源と概ね言えますし)、
JG:Jean George tokyo の作品も趣深い味わいでした。


ニューヨークを拠点に世界的に有名なミシュラン3つ星シェフ
ジャン-ジョルジュ・ヴォンゲリスティン氏が今年3月12日に
日本初出店したフレンチレストラン:Jean George tokyo 。

アジア食文化に刺激を受けた"vibrant cuisine"
(活力溢れる料理)は、素材のエッセンスを引き出し
感動的な風味と躍動的な展開で魅了させてくれます。


今回の作品メニューはこちら(拡大表示されます)
menu.jpg

全て必然のご縁でしょうが、ほぼ貸し切り状態の中、
私1人の為にスタッフの方々が眼前で調理・解説して下さり
劇場型レストランの真骨頂を独占堪能できたのは天恵です。


料理とは、食材に敬意を払い、無限の組合せの中から
各々の持ち味を引き出して交響させるという総合芸術。

そして、その作品は料理人の手だけで完結するのではなく
食する者の姿勢・意識・感覚のメンテナンスによって
その芸術性の行方が大きく左右されるものです。


食材と料理人への敬意を持って、五感覚(あるいは六感覚)を
研ぎ澄ませて味わうと、素晴らしい料理はより真価を発揮します。

正統フレンチではなく、アジアンテイストの創作フレンチなので
好みが分かれるところではありましょうが、スパイスが効いて
濃厚な「動・激」と、優雅で繊細な「静・優」のテイストの
織り込み方は、個人的にとても趣深いものでした。

コースの締めは、マリアージュ・フレールの燻製茶
「Empereur Chen-Nung(エンペラー・チェン・ヌン)」

「神農帝:Empereur Chen-Nung 」は、医と農を司り、
民の為に医薬についての調査をし、処方を集大成して
東洋医学の基礎を固めたとされています。

「医と仁術」展でも、西洋の医聖ヒポクラテスと並んで
東洋の医神として資料展示されておりましたけれど、
茶の起源においても伝説となっている人物です。



鉱物・植物・動物・人物・神霊物・不可知物、
それらを繋ぐ「祈り」「敬愛」の神聖な交響。

各々時代という時間軸上の立ち位置を超えて、
物質的構成の統一(あるいは限界)を解き外して
より荘厳な音脈の中で、自身と響き合う感覚。

単なる「鑑賞」ではなく「同化・交響」するとき
そこに在るのは、美醜・真贋・新旧という相対性を超えて
ただ「今、在り難きが在る」ことへの崇敬のみです。



「審美眼」など、もはや重要ではなくなってきますけれど
教養素地として様々な知見を育んで来れたのも関係諸子の
御厚意・御温情の故と日々実感するばかりです。

(特に紅茶の知見については、教養深く聡明なお母様方の
 ご指導・ご手配の賜物に他なりません。。)



医師を目指して医学部に入られる生徒さんが必然的に多いですが
「自他を慈しむ心」を根本に抱いて、遍く必然と交響しながら
世を「癒す者」として進化して欲しいと願います。


久々に書いたので長くなりましたね…
今回はこの辺に致しましょう。

いつも本当にありがとうございます。


posted by laluz at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | アートな話
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