2016年09月04日

2016年9月の始まり



皆さま、こんにちは。

2016年 第8番の月も過ぎましたね。
2016年の約67%が過ぎたことになります!

8月の暑さが夢であったかと錯覚するほどに
涼しい秋風を感じる時候となりましたけれど、

皆さまもこの上なく充ち足りた夏を
過ごされたことでしょう!!



菊の香に くらがり登る 節句かな     芭蕉


( 菊の節句には「登高」という古来の風習があるが、
私はいま菊の香を頼りに暗い峠を上っている思いだ。。 )




9月9日は、五節句の一つ「重陽(ちょうよう)」。
「菊の節句」とも呼ばれますね。

中国の「陰陽思想」では奇数は「陽」の数であり、
陽の最高数である9が重なる日=「重陽」とされます。

奇数の重なる月日は「陽」の気が強すぎるため、
「気」を祓う行事として節句が行なわれてきました。
1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日…ですが
1月の節句は例外的に1月7日とされています。


全ては「陰・陽」のバランスに拠るべきであって
「陽」の気が強すぎるのも宜しくないということで
邪気や澱みを祓い、無病息災を願う祭式として
一般にも広まっていったわけですね。


さて、「登高」の風習ですけれど、古代中国は
後漢(東漢)の時代、「重九登高、效桓景之避災
(重陽節に高い所に登り、桓景は災難から逃れた)」
という伝承によるものとされています。

桓景という人が、費長房という仙人から予言を受けて
その言葉通り、家族全員が呉茱萸(ごしゅゆ)を
入れた赤い袋を下げ、登った山上で菊花酒を飲んで
大きな災厄を逃れることができたというお話しです。


桓景がそうして災難から逃れることが出来たのを受け
9月9日は高台に登り菊酒を飲む「登高飲酒」の
習慣が中国で生まれたというのが通説です。

日本でも、邪気を祓い長寿を願って菊の花を飾ったり、
菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして菊の節句を
祝ったりしてきたわけですね。菊が延命長寿の花
として知られるのも先の伝承によるものでしょう。
(実際、菊の花には解毒作用もありますし)


さて、そのような前提を押さえたうえで芭蕉の句に戻ると
この句が詠まれたのは元禄7年9月9日(1694年10月27日)。

元禄7年10月12日(1694年11月28日)に命数を終える
死の僅か1ヶ月前に山を登るのは心身とも厳しかったはず…。


実際として峠を登ったのは明るい頃だったそうなので
時刻的に「暗がりを登る」わけではなかったでしょうが
体調も思わしくない死期の目前、我々の想像を超えて
まさに「くらがり登る」という状況だったと思います。

「菊の香に」とは、山頂で祝いながら飲まれる菊花酒や
菊の花を「感覚的に示して」いるものでしょうが
(実際にその山頂で飲まれていたとは伺えませんし)
『おくのほそ道』の旅路で「死と再生」を追究した芭蕉…

この時どのような心境で登っていたのでしょうね。

少なくとも死期が迫った悲壮感は感じられません、
(実際そこまで重篤な状態では登高などできませんし)
むしろ軽やかな菊の香りさえ漂ってきそうな…
そんな達観した境地さえ感じられましょう。



芭蕉は元禄7年10月8日(死の4日前)、病中吟として

 旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る

…と詠みました。登高の時も身体は重くあっても
俳聖の精神・夢は「菊の香り」に誘われながら
自由に飛んでいたことでしょう。


…というわけで、重陽の節句(旧暦ではまだ先ですが)。


「陰陽のバランス」を上手くとりつつ、各々の目指す
「領域」あるいは「夢」の、その至高な芳香を志向しつつ
仮に厳しい足取りの中でも誇らしく登頂下さいますように。



「バランス」という点では「2015年9月の始まり」の回
合わせて読み返して頂くのも良いかもしれませんね。


それでは、今回はこの辺で。。

9月も素晴らしい出会いで充ちていることを
皆さまと共に心から喜びたいと思います。

いつも本当にありがとうございます。



posted by laluz at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ラルース進学塾
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