2019年08月17日

スーパーフード



皆さま、こんにちは。

暑さも少しずつ和らぎそうな晩夏
(暦的には初秋の時候ですけど)
いかがお過ごしでしょうか?

さて 今回は久々に健康のテーマです。

「健康」論については学習・教育論よりも
個々人の特性に応じた調整幅が大きいので、
原則論というものが成立しにくい分野。

「健康には〜した方が良い」とか
「〜してはいけない」という通説に
根拠が全くないとは言いませんが、
自分に当てはまるとは限りませんよね。

(早寝早起きや1日3食さえ 人によって
無条件に有益とは限らないように。 )


メディア等で紹介されていたからといって
飛び付く前に「自分にも当てはまるかどうか
慎重かつ冷静に分析判断する」ことが大切です。
健康に限ったことではありませんけども。

実際「何となく良い」と信じられてきたことが
最近になって「効果なし」とか「むしろ有害」
という研究結果が出たりすることもあります。

(枚挙に暇ありませんが…例えば「栄養サプリメントとしてのカルシウム+ビタミンDの併用は脳卒中になるリスクを高める可能性」について Effects of Nutritional Supplements and Dietary Interventions on Cardiovascular Outcomes: An Umbrella Review and Evidence Map

そういう意味で、ラルースブログも
決め付けた健康論は述べませんので、
今回も「〜した方が良い」という趣旨ではなく
健康を考える上での鍵(?)を探るという
ニュアンスで書いてみようと思います。

(そもそも論として、「食べないで生きられるならそれに越したことはない」と考える私の健康法など、一般的には有害でしょうし…)

まず、健康論においては特に顕著と感じますが、
極端な思考を持つ方もおられますよね。。
西洋医学を全否定したり、自然食材崇拝というか
加工食や添加物を狂信的に排除するような。

それはそれで、当人が心から良いと思っていれば
(特に他者に押し付けない限り)問題ないと思いますが、
バランスのとれた知性とは少し離れてしまいます。

(「不食」を考えるあなたはどうなの?っていう
冷酷なツッコミは無しでお願いします)


健康に限らず、偏向的な思考に陥る場合、
自分が信じる主義主張の補強に熱心過ぎて
自説の弱点には眼を背けることが少なくありません。

科学的にあり得ない!という人に限って
科学に無知であったり、健康にうるさい割に
生物学・化学の基礎さえご存知なかったり。

相手を説得するつもりなら、まず反対説の立場になりきって
徹底的に反論を考えてみることがバランスある知的訓練…
ラルースブログで言うところの対極思考ですね。
(「ネガティブ思考?」も参照)

(まあ、究極的には「量子論的に『そのように思考を向けるなら』そのような世界しか観測できないね」とか、「並行宇宙間の『ゆらぎ』は現世軸では双方リンクしないようだ」とかなっちゃうかも知れませんけど、そこまで行き着くとしたら、もはやお互いクスクス笑っていると思います、要するに「溝」など無い。)

その「対極思考」を徹底的に突き詰めて行くと、
『色即是空 空即是色』に至ってしまうので

全ての話題が語るまでもなく「ただ在る」を
肯定して終わってしまうのですけど・・


その少し手前の世界で「思考を遊ばせる」としますと。


西洋医学の進歩は多くの人間のQOLを向上させて来ましたし、新生児の延命率も格段に伸びたことは素晴らしい奇蹟と思います。ただ、先端医療も万能ではなく、まだまだ未知の分野があるので研究者の方々は心血注いでおられますね。

反面で、現代の予防医療が「病を生む」という矛盾が生まれたのも否定できないことです。伝染病を根絶するために公衆衛生を整えた先人のお陰で、多大な命が救われてきました。しかし、その理念は時代とともに変質し、過度の殺菌消毒が謳われて衛生環境としてはかえって「人間に優しくない」事態になりつつあります。要するに、健康を維持するために必要な常在菌まで殺してしまい、自浄防衛作用が著しく減退してしまうという事態です。

これはすごく難しい問題です、いわば「成熟社会の現代病」というか。社会全体としては、一人でも感染罹患させたくないから、効果のある対策を広く勧める。短期的には効果ありだし正解?でも長期的には違う問題が出てきたかも?という。

食糧生産消費システムにおいても、消費者に食中毒など有害な結果は一人も出したくない(企業の自衛の為にも)から、安全のために防腐剤・保存料など添加する。コストを押さえる為に色々と工夫して影響がほぼない範囲で添加物など使用してきたけど、研究が進んで人体には影響軽微な添加物も体内常在菌には意外と無視できない影響がありそうかも?的な。

ただ、影響あるかどうか未知数の対策より 必ず影響ある食中毒防止を優先させるのは、社会の公衆衛生としては問題ないというか当然の判断と思います。

同様に、学校養護施設など幼年・高齢者を守るべき区域で、しっかりと殺菌消毒手洗いうがいというのは、域内感染を防止する意味では間違った施策とは言い難いですよね。それがかえって「病原菌への抵抗力を失わせている」面を重視すれば、学校では少し揺り戻しがあるかも知れませんが、仮にそれで集団感染したら?…責任者として「予防」は過剰になりやすいもの。。


というような現代で、人間の健康には「共生菌」が予想以上に大きく関わっているようだと示す研究結果が色々と現れて来ました。健康業界も「腸活」「菌活」という謎フレーズ(何を伝えたいかは分かるけど)で賑わって久しいですね。


人間は(個人差・測定差に幅があるものの)1000種類以上で約100兆個〜、総重量にして1.0〜2.0Kgもの微生物たちと共生していて、その約90%は腸内細菌叢(腸内フローラ)を形成しています。

我々の身体を形成する細胞数は約60兆個と言われますので、自身を直接形成する細胞よりも(自分自身ではない?)細菌の方が多いという人体=不思議な生態系。皮膚・口腔内・消化管と至るところに細菌たちは常在してくれています。


実際、免疫系も常在菌たちが大きく関わっていることが分かってきました。それらの常在菌たちにとっては、宿主=ヒトの健康は死活問題ですから 日々健康であるよう頑張ってくれている訳ですね〜 別にヒトの為ではなく細菌たちの未来の為なんですけど…。ちなみに腸内細菌のうち、善玉菌・日和見菌・悪玉菌に大別した理想比は 2:7:1 …悪玉菌も存在しないといけないところがまさに人間社会の構造と同じで、儚く愛おしく感じます。。


そういうわけで、常在菌のバランス・多様性は人間の健康を左右し、ある種の共生菌が失われていることで疾病疾患に陥ることも有り得ます。有効な共生菌を「適切に定住させる」ために保菌者の大便をカプセル服用する等の 腸内細菌叢移植(Fecal Microbiota Transplantation: FMT)が行われていたり、「便バンク」で便の買取?すごいなぁと感じたのもつい数年前のこと。

「菌とヒトの共生」というテーマは非常にホットで、なかなか面白い研究も多いです。まあサンプルが少ない例もあるので信用できるにはまだまだこれからという側面もありますが、その知見によって、地産の伝統食がなぜ身体に良いのかという論拠や、アレルギーと常在菌の関係、遺伝的疾患の特効薬など道が開けそうな分野も多々あります。

「共生どころかむしろ菌がヒトの性格や疾病を決定している!」とまでは断言しにくいですけど、生命維持活動に少なからぬ影響を与えているのは否定できないようです。

(個人的に「蚊に刺されにくい」のですけど、皮膚常在菌の多様性が保たれているヒトほど刺されにくいかも?という研究例は興味深いところ。「あまりに神聖な血なので 蚊も畏れ多くて寄ってこない」という自説とどちらに軍配があがるか見ものです。)


・・と、テーマが多岐に壮大なので
1回分の記事では到底書き切れませんけれど、
個人的には今一番ワクワクする話題ですね。

以前も述べましたように、私個人は「食べずに生きられるならそれに越したことはない」と幼い頃から思ってきたわけですけど(食事と不老)、共生菌にゴハンをあげるという視点を得てからは、この子たち(=菌)どんな食材は喜ぶだろう?とより楽しみながら食を考えるようになった気がします(その分、何だか「原始農法」崇拝者に近付いたかも知れませんけど)

といっても、1日1食に±何か(気分で2食だったり0食だったり)という形態や主食(雑穀米&ブロッコリースプラウト)は変わりませんけど、「何か」の部分が変わってきました。味噌・納豆・煮干しなど日本原産のスーパーフードは特筆することもないと思いますので、海外産ながら私と共生している菌たち的にはお好みらしい(一般的にも有益そうな)ものをサラッと書いて今回は終わりにしたいと思います。

@ カカオニブ
A マキベリー
B モリンガ
C ナッツ類 (アーモンド・ピスタチオ・
   クルミ・カシューナッツ・ヘーゼルナッツ etc.)


オーガニック・無添加のものを興味に応じて調べてみると面白い発見も多いと思います(じっくり調べないとネット情報は不正確だったり虚偽も多いので慎重に)。何にせよ信頼できるルートか確認できるものを選ぶことが安心です(その分コストは高くなりますけど)。また、非加熱だと共生菌的には喜びますけど、お腹が繊細な方にはオススメしません。小さいお子さんも止めた方が良いですね、もちろんアレルギー持ちの方も…

…と、本当は詳しく補足していこうと
思ったのですけど、あまりに長くなるので
文字通りサラッと書いて終わります。。


何にせよ 健康食やスーパーフードの類を
食べるだけで健康になれるわけではなく、

心身ともに深くリラックスしながら
いつも支えてくれてありがとうと
諸器官・常在菌に感謝する心持ちで食すれば
食物全てスーパーフードになる気がします。



という感じで草稿を書いたのは早かったのに
参考文献とか数値に誤りがないかチェック等
してたら18日になってしまいました・・
16日前後…まあ許容して下されば幸いです。


それでは、引き続き
100兆ほどの共生菌たちと仲良く
充実した夏を過ごして参りましょう。


posted by laluz at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康面について

2019年08月05日

2019年8月の始まり


皆さま、こんにちは。

2019年 第7番の月も過ぎました。
2019年の約58%経過したわけですけど、
さすがに夏らしく暑いですね。

暑さに負けずに
情熱的な日々をお過ごしでしょうか。


*通常、毎月4日には更新していますが 5日夕方と遅くなってしまいました…
4日にチェックして下さった方々にはお手数おかけしてすみません。




うき草を 雲とやいとふ 夏の池の
 底なる魚も 月をながめば


(浮草を雲であるかのように邪魔なものだと思うのだろうか。
夏の池の底にいる魚も月を眺めるならば。)



源頼政(みなもとのよりまさ)の和歌。

情景を思い浮かべてみると、とても可愛い
イメージですよね。風流この上ない描写です。


源 頼政(1104〜1180年6月20日)は
平安時代末期の武将・公卿・歌人。

保元の乱(1156)、平治の乱(1159)に際し、
いずれも平清盛に味方したので、平氏政権下で
従三位という 当時の武士としては高位に出世。
歌人として秀で、多くの歌合や歌会で活躍し、
歌仙として高い評価を受けていました

(鴨長明『無名抄』参照)。


他方、河内源氏は苦難・悲劇が続きました。
(参考:源氏系統略図genji.jpg

源為義は保元の乱で崇徳上皇側に立って敗れ、一族多くが死罪か流罪。為義嫡男の義朝は、保元の乱で後白河院に唯一味方したため助かるものの、実父の為義ら親兄弟をその手で処刑することになります(手柄の恩賞として助命を願いますが、その甲斐もなく)

続く平治の乱は、信西(藤原通憲)の横暴を正すために義朝らは兵を挙げて信西を討つも、平清盛に敗れ、息子の頼朝(当時13才)らを伴って敗走中に謀殺(頼朝は約20年配流されます)

…と、そのような源氏不遇の時代で、「平家にあらずんば人にあらず」と言われる平氏の専横に不満が高まる中、1179年平清盛がクーデターを起こして後白河法皇を幽閉すると、意を決した頼政は後白河天皇の第三皇子・以仁王(もちひとおう)と結んで平氏打倒の挙兵を計画し、1180年諸国の源氏に平氏打倒の令旨を伝えました。

しかし計画が早期に露見し、準備不足のまま挙兵を余儀なくされ、平氏の追討を受けて宇治平等院の戦いで敗れ、自害(76才)。(この戦いで息子の仲綱、宗綱、兼綱が亡くなりますが、伊豆にいた末子の広綱と、仲綱の子の有綱らは後に頼朝の旗下、平家打倒に加わります。)


頼政と以仁王の挙兵は失敗したものの、
以仁王の令旨は大きく源氏勢を動かし、
これを奉じて配流先から源頼朝(34才)ら
諸国の源氏が一斉に蜂起し、平家を滅亡させる
大きな契機になったのでした。


ただ、頼朝は、平氏滅亡(1185年)後に父 義朝を弔うために勝長寿院を建立しますが、弟 義経とは反目し、暗殺・討伐の兵を徹底して追込み1189年に義経自害(31才)。

1199年 頼朝没(53才)後、長男頼家(1182〜1204)が家督を継ぎ二代将軍となるも、北条一族によって追放・暗殺(21才)。次男 実朝(1192〜1219)が三代将軍となるも頼家の子・公暁に暗殺(26才)。公暁も直後に討ち取られ、源氏将軍家の血統は断絶。


…と、ちょっと厚く書き過ぎましたけど
源氏の不遇・再興・断絶というテーマは
個人的に感じ入るところがあるので。

崇徳院については以前少し触れましたが
(参考:2019年3月の始まり
日本三大怨霊(菅原道真・平将門・崇徳院)
に挙がるほど畏怖の対象となっています。

まあ、暗殺・謀殺の連鎖は源平争乱期に限った
ことではありませんが、深い怨念・呪怨は
その者だけで済まず、その血脈に染み込み
血統が絶えるまで何代にも及ぶと言われます。

そのような不遇の最期であった御魂は、
手厚く弔い償い、昔も今も敬意と畏怖の念を
もってお祀りされ続けています。


…という背景知識の下で今回の和歌を
見てみますと、また違った様相を示すでしょう。


月光の照らす平家の世で
底辺で雌伏し 時を待つ源氏。

浮草が平家の者だとしたら
月光を遮る浮草を疎ましく感じるかも。
もし魚が月を眺めるような心あれば。

源氏再興の志があるならば、という
ところが、悲哀・覚悟を感じさせます。

ただ、平家の繁栄も浮草のように儚く
武家政治の基盤を築いた鎌倉幕府も
露のようにこぼれ落ちました。

浮草の下の魚を思うが如く、
浮雲の下の人間を思う
月(あるいは天)の視点。

血で血を洗う悲劇を 地球各地で
繰り返してきた人間ですけれど、
それでも苦難の時を助け合いながら
乗り越えてきたのもまた人間。

これから先、「人間」の定義も
変わっていくかもしれませんが、
遅くとも確かに進化しているので
平らけく安らけく過ごして参りましょう。



宇宙スケールで考えると、人間さらには動植物全て
一つの小さな球体上で 命を寄せ合う共生体。

ひと時でさえ離れられない「つながり」の中で
(意識できるかはともかく)支え合いながら
せいぜい数十億秒ほどの命を灯しているのに、

些細なことで怒り争ったり、離別を悲しんだり
そんなことを繰り返すのも愛おしいというか
微笑ましいかもしれません、月の視点からは。


(…と、2017年10月の始まりで触れましたように)



ともあれ、異常気象と言うべき気候が
今後も続きますし、各々にとっての試練も
適宜あるものと思いますが…身を捧げて
世を切り開いてきた先人に敬意を払いつつ、
夏の日々を歩んで参りましょう。

それでは、今回はこの辺で。



8月も素晴らしい出会いで充ちていることを
皆さまと共に心から喜びたいと思います。

いつも本当にありがとうございます。




(今月も世界情勢が許せば 16日前後に
 もう1回更新しようと思っています)

posted by laluz at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラルース進学塾