2017年07月02日

2017年7月の始まり


皆さま、こんにちは。

2017年 第6番の月も過ぎました。
2017年の約50%が過ぎたことになりますね。

強大な太陽エネルギーを肌身に感じてくる季節、
皆さまお変わりなく充実されておられましょうか。



合歓の木の 葉越しも厭へ 星の影   芭蕉

(ねむのきの はごしもいとえ ほしのかげ)



意訳・解釈は後に回すとして・・二つの星が逢いに来る七夕。

旧暦本来の時期としては2017年08月28日ごろですけど
新暦ベースの7月7日という時機で今回も取り上げてみます。

(昨年7月も「雨中天」の句を取り上げていますし)

「織姫と彦星の夫婦が1年に1度の7月7日だけ
 会うことを 天帝に許されている」日です。

夏の大三角形でご存知のように 織姫は「こと座のベガ」
彦星は「わし座のアルタイル」とされています。

(七夕伝説の由来も興味深いですが、今回はさておき)

地球からの距離はそれぞれ約25光年、約17光年、
2星間の距離はおよそ14.5光年と観測されています。

物質の速度は光速(299,792,458 m/s)を超えない
というアインシュタイン相対性理論に従う限りでは、
14.5光年の超遠距離恋愛で二者が会うには7年以上必要。



ゆえに1年で1回逢うことは不可能。Q.E.D.(証明終了)
という冷静奇特な方もおられることでしょう。

ただ・・まあ人間目線で「星が近づく」比喩ですし
「愛は光速を超える」という視点でゆったり考えますと。

人間目線で考えるなら人間尺度で換算しないとおかしい!
ということで言えば、織姫と彦星たちの寿命は約10億年。

人間の寿命を100年とすると、織姫と彦星は人間に比べ
単純に1000万倍も長い寿命ということになりますね。

「1年に1回」も1000万分の1で考えるのが公平?
と計算すれば「1年」の1000万分の1は「約3秒1557」。

人間尺度で改めて考えてみると、織姫と彦星の2人は
人間世界的に「約3.2秒に1回逢っている」ことになります。

まあ…ずっと一緒にいるようなものですね・・
むしろどれだけ愛し合っているんだ?って程に。

厳密に言えば「3.2 秒に1回0.0086秒だけ逢える」
ですけど、その辺りはまあ瞬きレベルの誤差と言えて…

いやでも、3.2秒毎と言っても現実に知覚できないなら
それはやはり逢えないに等しいか…むしろツライかも?

天帝は言いました。「1年に1回だけ逢うことを許す」と。

その意味するところ「お前たちの寿命は長い。要するに
ずっと一緒にいていいってことだ」かもしれません、

ただし、実際に見ることも触ることも出来ない。
想える「愛」だけが絶えずしてそこに在る、と。
肉体を超えた星たちの愛の形としては真理かも?



・・という感じで七夕の2人をどのようにみるか
距離・時間尺度の違いでニュアンスも変わるわけですが
今回の句も「厭え」を介して2つ解釈が成り立ち得ます。

1つは、なかなか逢えない2人が1年ぶりにやっと
逢えたのだから、ネムの葉越しであってもじろじろ
見てあげてはいけない そっとしておこうではないか
という我々人間に対して「厭え(遠慮しなさい)」と
温かく見守るスタンス。

もう1つの解釈は、ネムの葉越しといえども
よく見えてしまうから隠れて逢瀬を重ねて下さいね…
という2つの星たちに「厭え(遠慮して下さい)」と
投げかけているスタンス。


3.2秒ごとに逢っている=ずっと一緒にいるという
感覚なら後者の解釈もなかなかに頷けましょう。
愛し合うのもいいけど人目を憚りなさい…的な。

とはいえ、芭蕉の感覚的には前者の意でしょうね。
七夕だー!と衆人がこぞって2星を注視している中
皆さんそっとしておいてあげようという優しい句です。

後回しにした句訳を付すなら…


「合歓の葉越しにも覗き見して1年越しの
 語らいを妨げないように。(稀有な逢瀬に
 歓喜している)星は影さえ美しい。」


こんなニュアンスでしょうか。


ちなみに和名のネムは「夜になると葉が閉じること
(就眠運動)に由来し、漢名の「合歓木」は、
中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされて
いたことから付けられたとのこと(Wikipedia)。

香りは桃のように甘く、花言葉は「歓喜」「安らぎ」。



合歓(ネム)の語つながりで書くと 昨年オープン当初に
滞在したAMANEM は「合歓の郷」内のアマンなので
アマネム:歓喜・安らぎの地という意図でしょうね。
滞在時はサミット準備で物々しい周辺警護でしたけど。


20160428_155906.jpg

ベランダ(縁側?)の開放的なレストスペース。
波や風の音、そして星たちの優しい光を感じながら
ネムネムできます。世俗から離れて過ごすには良い空間。



人の世にあって、愛する人と共有する時間は
かけがえのないもの。家族・伴侶・恋人etc.
それらがどのようなカタチであったとしても
距離・時間尺度はあくまで相対的なものです。

常に一緒に居られる幸運にあるならば、
それがまるで1年に1度の逢瀬の如くに
貴重なものでもあると お互いを思いやり、

物理的・心理的に遠く離れた関係であっても
(先に逝かれてしまった場合を含めて)
愛は物理法則を超えて「常にそこに在る」と知り
相手の存在(或いは非存在)に敬意を払うこと。

そんな感じで、支えて下さる方々に
「歓喜」の気持ちで接して行かれますように。

各々それぞれ10億年ごしにやっと逢えた2星かも
しれませんし、壮大なスケールで生きていけば
俗世の小さなことなど互いに笑い合えるはずです。



というわけで、今年も「七夕」テーマのご挨拶に
なりましたが、皆さまとのご縁も稀有な出会いと
常々感謝申し上げているのは変わりありません。

蒸し暑い季節こそ、周囲の暑さを打ち消すほどの
歓喜の躍動で7月も楽しんで下さいますように!


7月も素晴らしい出会いで充ちていることを

皆さまと共に心から喜びたいと思います。



いつも本当にありがとうございます。


posted by laluz at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラルース進学塾